
◎表紙イラスト:おのでらえいこ
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●NCLの会――2025年・目録テーマ
伝え継ごう! 大切ないのち・平和 学校図書館
時代が変わっても失ってはいけないもの、伝え継がなくてはいけないもの。それは「平和」であり「大切ないのち」を学ぶ環境です。
80年前、日本や世界で起きていた大きな戦争が終わりました。 日本では、約310万人が戦死。うち80万人が民間人と言われています。犠牲者が一番多く出たのが1944〜45年。沖縄、広島、長崎と東京大空襲をはじめとした国内各地の「無差別爆撃」でのものでした。
昨年、2024年には被爆者の立場から核兵器廃絶を世界に訴える活動や被爆者の援護を国に求める運動を続けてきた「日本 被団協」がノーベル平和賞を受賞しました。受賞理由について、ノーベル平和委員会のフリードネス委員長は「被爆者のメッセージや証言は核兵器を使うことがいかに容認できないものかを思い起こさせる重要なものだ。私たちは被爆者の声を聞くべきだ。すべての指導者が、核兵器は二度と使われてはならないという被爆者の話に耳を傾けることを望む」と述べ、また、記憶をとどめる継続的な取り組みによって、日本の新しい世代が被爆者たちの経験とメッセージを継承していることにも触れました。
30年前には、6,434名の犠牲者が出た「阪神・淡路大震災」がありました。震災を経験した方々には「震災の記憶や教訓が風化している」と感じている方が6割、一方では、震災未経験者の10〜20代では「学校の防災教育」が記憶の継承に有効だと思うという答えが最も多かったということです。東日本大震災、能登半島地震、これから予測されている首都直下地震や南海トラフ地震。体験を伝え、「自分ごと」として取り組む防災教育が、今、求められています。
平和や防災、大切ないのちを守り、次の世代へ伝え継いでいく....
NCLの会ではこのような願いで、今年も学校図書館 へ揃えていただきたい本、授業で使っていただきたい本を揃えました。子どもたちの未来のために、地球の未来のために、このブックガイドをお届けします。
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