横浜市立小田小学校の安塚体験学習
■棚田に囲まれた農家で子どもたちが体験したこと
▼編集部
二月下旬、横浜市立小田小学校五年担任の森島秋美先生、池長健吉先生、豊田亮先生の三名は上越新幹線の越後湯沢駅から「ほくほく線」に乗り換えた。列車は新潟県の谷合を進み、家々の屋根に積もる雪が深くなっていく。三名が向かうのは上越市安塚区(旧安塚町)。きょう、あすは五月に控えた六年生の宿泊体験学習の実踏(実地踏査)なのである。
福寿草の里・信州沢底発
■むらの再生は地域の子育ての再生から
▼沢底福寿草の里景観保全委員会事務局 有賀茂人
長野県のほぼ中央に位置する辰野町は、諏訪湖から流れ出る天竜川が中央を流れ、山地面積が七割を超える人口二万三〇〇〇余の町で、蛍が群生し、乱舞することで有名なところです。
町の東側、戸数一二〇戸ほどの小さな山間の集落が、私たちの住む沢底です。集落の奥まったところにたたずむ双体像は、永正二年(一五〇五年)の銘が刻まれ、日本最古の道祖神と言われています。集落も、その頃にはすでに存在していたのでしょう。
沢底は「福寿草の里」としても広く知られ、町内外から春の花を求めて人びとが訪れます。この「福寿草の里」の名をとって、集落の三八人の農家が「沢底福寿草の里景観保全委員会(以下委員会)」をつくり、農業の活性化と生活文化の見直しをとおして、景観保全に取り組んできました。
大分県安心院町
■田舎ぶりがいいほうが勝ち!
▼NPO法人 安心院町グリーンツーリズム研究会会長 宮田静一
グリーンツーリズムに力を入れている大分県安心院町(現在、合併して宇佐市安心院町)には、地元大分県をはじめ、関東や関西、北九州などから子どもや若者がたくさん訪れ、農家に宿泊している(中学生の場合、平成十八年度は二九校、約三〇〇〇人)。
編集後記
▼編集部
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[特集]子どもが変わる 農村宿泊体験
巻頭エッセイ
モンゴルのゲルにて 国立民族学博物館 小長谷有紀 …06
いまこそ求められる農山漁村の教育力 法政大学 佐藤一子 …10
1 農村宿泊体験とはどういうものか
棚田に囲まれた農家で子どもたちが体験したこと
横浜市立小田小学校の安塚体験学習 編集部 …16安塚体験記 小須田恵理 …22
東京の中学生 一泊二日の農家体験
ウッソー! でも楽しーい イラスト・かとうまりん …26農家に泊まるなら農家でしかできない体験を 青森・十和田市 農業 豊川総一 …32
インタビューで聞きました
農業体験修学旅行で中学生が感じたこと 東京福祉大学 野田知子 …382 長期宿泊体験をどう仕組むか
学力の前に、自立して生きる姿勢を育てたい 実施してみて確信したセカンドスクールの効果
東京・武蔵野市教育支援センター 松澤茂久 …48セカンドスクールの準備と実際 編集部 …52
子どもたちには「ほんもの体験」と出会わせたい 体験教育企画 藤澤安良 …54
体験を体験だけに終わらせないために 体験から学ぶソクラテス問答法
NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー 山本幹彦 …60先生こそ「ゆとり」と「体験」を 飯田市企画部 井上弘司 …64
3 体験を深めるアイデア
【森】都会の子どもたちが育てるドングリの森
東京・中幡小学校/長野・飯田市 藤井慶正・稲葉義愛 …76【田んぼ】ミニ田んぼと本物の田んぼで同時に稲を育てる
東京・緑ヶ丘小学校/宮城・角田市 西村良平 …82【郷土食】地域の食材の学習が生きる「会津のスローフードを巡る旅」
宮城・階上小学校/福島・会津地方 佐藤由美 …88むらの再生は地域の子育ての再生から 福寿草の里・信州沢底発
長野・辰野町 有賀茂人 …944 体験の場をどうつくるか
田舎ぶりがいいほうが勝ち! 大分県安心院町 宮田静一 …100
心のヨロイを脱いだとき 子どもたちのスッピンの笑顔がはじけた 本多雅子 …106
首都圏在住者の協力を得て、出前授業と体験旅行を結ぶ 東京米物語
JA山形おきたま飯豊地区 青年部添川支部 高橋勝 …110農林漁業と生活文化を丸ごと体験メニューに
宮城県南三陸町・さんさん館 斉藤道子 …116山村留学の受入れでよみがえる生活文化 長野県秦阜村 辻英之 …122
受入先は個性が光る地域でありたい
「子ども農山漁村交流プロジェクト」推進検討委員 小椋唯一 …1285 「子ども農山漁村交流プロジェクト」のガイド
今、なぜ「子ども農山漁村交流プロジェクト」が必要なのか
国立那須甲子青少年自然の家 茅野敏英 …134三省の担当者に聞く「子ども農山漁村交流プロジェクト」事業のねらい
文部科学省児童生徒課長 木岡保雅
農林水産省農村政策課長 永嶋善隆
総務省参事官 塚田桂祐 …140
再録
都会の子に餅つきは必要か
「農業の教育力」を考える 農文協論説委員会 …148本号の記事に関連した体験活動の受入先 …153
関連図書紹介 …154
農文協 > 食農教育 > 2008年4月増刊号 |
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