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復刊60周年記念号(別冊「現代農業」4月号) 現代農業 ベストセレクト集 目次 はじめに 「現代農業」年表
グラビア1 一所懸命に働いた 村は人間味があった(撮影 橋本紘二) グラビア2 冷たい風が吹き荒れた 新しい風が吹き始めた(撮影 橋本紘二) I.戦後の復興のなかで
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| 年 | 社会情勢 | 「農村文化」「現代農業」の主な記事 | |
| 1940 | (昭和15) | 大政翼賛会発足 | (公益法人)農文協創立。月刊誌「農政研究」を会誌に継承 |
| 1941 | (昭和16) | 対米英宣戦 | 会誌を「農村文化」に改題 |
| 1946 | (昭和21) | 日本国憲法広布 | 「農村文化」復刊第一号。古瀬「農村文化運動の本質」、暉峻「農村の欲求としての文化」、村山「青年演芸の問題」、平野「農山村工業の経済的条件」 |
| 1947 | (昭和22) | 米の強権供出 | 鈴木清「農民の二つの性格」、奥谷「インフレと農産物価格」、岩上「芽生える地方の民主主義」、古島他「貿易再開と日本農業」、岩上「農民文学・土・について」 |
| 1948 | (昭和23) | 韓国・北朝鮮成立 | 「百姓はなぜこんなに忙しいか」「正しい米価は平和の基礎」 |
| 1949 | (昭和24) | 中華人民共和国成立 | 浪江「本を読まないと損をする話」、福島「供出制度と権力」「農民の肥料学(1)」 |
| 1950 | (昭和25) | 朝鮮戦争 | 浪江「肥料の上手な使い方」一月号連載開始、「DDTとBHCの鑑定と使い方」「2・4―D、畜力除草機と農繁期栄養問題」、福島「輸入食糧で農業はどうなる」 |
| 1951 | (昭和26) | 日米安保条約調印 | 「農村の失業問題」、「村の予算を調べよう」「インチキ肥料にだまされまいぞ」 |
| 1952 | (昭和27) | 麦統制撤廃 | 編集部「土地改良をすゝめよう」、戸刈「統制撤廃後の今年の麦作」 |
| 1953 | (昭和28) | MSA小麦協定 東北冷夏 | 畜産講座「食われたエサの行方」「動力耕耘機は経営とどう結びつくか」 |
| 1954 | (昭和29) | 自衛隊発足 集約酪農地域制度 | 「上手な養鶏」「農繁期をのりきる技術」「秋野菜作付計画」「乳牛の導入と交換」 |
| 1955 | (昭和30) | GATT加盟 日米余剰農産物協定 | 「果菜類の経営的特性」「イネの品種とり入れ方」「品薄時期をねらう野菜つくり」 |
| 1956 | (昭和31) | 日ソ国交回復 神武景気 | 六大連載講座発足(イナ作、身近な政治経済、畜産物の売り方買い方、土地改良、あかるい生活、土と肥料) |
| 1957 | (昭和32) | ソ連・人工衛星打ち上げ成功。 | 飼料講座「養豚飼料配合のコツ」「牛の個性に合せた配合」「ケトージス予防策」 |
| 1958 | (昭和33) | 桑園2・5万町歩整理 | 「精農家にきくイネの追肥」「水田除草剤の安全散布」「エサ代半分の牧草養豚」 |
| 1959 | (昭和34) | 皇太子御成婚 | 「こうして農協をおれたちのものにする「「リンサン多用のイネ増収法」「新産地はこうしてつくる」 |
| 1960 | (昭和35) | 国民所得倍増計画 | 11月号より「農村文化」改題して「現代農業」、片倉「きまって5石とれるイナ作技術」、「農協の助けで経営確立・茨城玉川農協」、「これからの農業は成長株だ」 |
| 1961 | (昭和36) | 農業基本法施行 | 「零細農がこうして経営を拡大した」「豚価が落ちても大丈夫の養豚法」 |
| 1962 | (昭和37) | 農業構造改善事業促進大綱 | 「農業近代化の出発点」「月給五万円の共同経営」「六石どりイナ作の分析と応用」「豚肉価格の安定対策」 |
| 1963 | (昭和38) | 麦不足 地方農政局発足バナナなど自由化 | 「大型機械化と農業の疑問点」「確実に増収できる三施肥法―下層施肥、深層追肥、追肥重点」「米はほんとに余っているのか?」 |
| 1964 | (昭和39) | 東京オリンピック・米不足 | 「米が足りない」「片倉イナ作(1)」連載開始、「出稼ぎ、これだけは気をつけて」 |
| 1965 | (昭和40) | いざなぎ景気 米消費ピーク339kg | (現代農業、作目別編成になる)。「片倉イナ作(6)」「平均五石どりは可能になった」「玉川方式を実践して」 |
| 1966 | (昭和41) | ベトナム戦争 田植機開発利用 | 「V字イナ作・チッソを中断して増収」「片倉イナ作各地の実例報告(1)」「農民的経営合理化コース」 |
| 1967 | (昭和42) | 中国文化大革命 米大豊作 | 「食糧をもたない国は亡びる」「イナ作技術のゆくえ(精農家)」「5石どりのイネは病気に強い」 |
| 1968 | (昭和43) | 大学紛争 「農業世界」廃刊 | 「八産五万キロの酪農技術」「米は余ってない」「ベテラン農家のイネ実肥」 |
| 1969 | (昭和44) | 開田抑制 減反開始 | 182ページから366ページへ 「主張」欄創設(論説委員会)、「米のだぶつきは一時的現象」「これが自主流通米の正体だ」「イネ+畜産の安定経営」 |
| 1970 | (昭和45) | 第2次農業構造改善事業 | 「主張・近代化路線にまどわされるな」 小西式イナ作始まる 「野菜の断根育苗」 |
| 1971 | (昭和46) | ニクソンドルショック | 「農村つぶしの農村工業化計画」「減反の強制に応じられない」「青果市場のカラクリと主体性」 |
| 1972 | (昭和47) | 日本列島改造論 日中国交回復 | 「戦後農政のあやまり―自信もって米を作ろう」「大型機械でコストダウン不可能―減反に応じないほうがよい」「経営の豊かさは自給度がバロメーター」「新しい複合経営への道」 |
| 1973 | (昭和48) | 石油ショック狂乱物価 世界食糧危機 | 「主張、イネを育てる心をとりもどそう」「儲け主義で食糧自給はできない」「主張、農協を農家のものに」 |
| 1974 | (昭和49) | 物価暴騰パニック GNPマイナス成長 | 「借金農業と借金しない農業」「畜力と機械とどちらが効率的」「自給優先の複合経営で消費者と直結」 「特集・石油文化は農耕と生活を滅ぼす」 「守田・堆肥では土はよくならない」 |
| 1975 | (昭和50) | 完全失業者100万人 | 「ドブロク造りがなぜ悪い」「大圃場整備事業で得することなし」「品種改良の方向は狂っていないか」、渡辺高俊「エサ二本立給与」連載開始 |
| 1976 | (昭和51) | 水田総合利用対策 | 「補助金にだまされまい」「果樹は畑や田に植えるものでない」 主張「農林・通産省をつぶさなければ食糧自給できない」 |
| 1977 | (昭和52) | 三全総(地方都市作り・定住圏構想) | 「冷水害と農業共済―ごまかしのからくり」、「複合経営の指導にのるな」、「管理離れ労働―農業労働は最高のぜいたく」、11月号「施肥総特集号」開始 |
| 1978 | (昭和53) | 新農業構造改善事業 | 「円高に仕掛けられた農業縮小の策略」「余り米は買わないの脅しに乗るな」「つきあい減反はやらない」「効かないT珪カルUの秘密」 |
| 1979 | (昭和54) | 第2次石油ショック(イラン革命) | 5「農薬ガイドブック」、10「肥料、土ガイドブック」年2回総特集号恒常化 「ダイズ規格外は売れないは本当か」「うまいドブロク、焼酎の極意」 |
| 1980 | (昭和55) | 4年続きの不作の始まり | 「減反転作トクした人はどこに」「奨励金によらずできる作目は?」井原豊のイネつくり記事始まる |
| 1981 | (昭和56) | NIRA報告 | 「施肥改善特集号 単肥路線・土壌溶液・過石入り堆肥」「異常気象と食糧危機」「主張、農薬メーカー天国・日本」「主張、補助金農政を断罪す」「主張、減反を返上して米の売り方を考えよう」 コシヒカリ・単肥深水栽培 |
| 1982 | (昭和57) | 中曽根臨調 東北上越新幹線開業 | 「2年続きのコメ不足ー減反しているときではない」「世界の農畜産物価格政策に学ぶ」「米飯給食を妨げる文部省」 |
| 1983 | (昭和58) | ロッキード事件裁判判決 三宅島大噴火 | 主張「日本型食生活とは何か」「いま増産のとき―緊急輸入は一年ですまない」「明治老農林遠里に学ぶイナ作革新」「どうする減反・三期対策」 |
| 1984 | (昭和59) | 韓国から米輸入 | 「本物時代の品種選び(野菜)」「カリフォルニア米輸入が迫る」「他用途米の出荷対策」「特集・借金暮らしから脱け出すには」「野菜の品質追究シリーズ」 |
| 1985 | (昭和60) | ソ連ゴルバチョフ政権成立 プラザ合意(円高容認政策) | 内容大幅改編、前半部に「豊かに食べる」「暮らしをつくる」「世の中を生きる」の三本柱をすえ、家族みんなで読み、話し合えるように。「主張、昭和六十年代をどう生きる―むら民主主義」。小特集「嫁にいきたくなる村」「健康食のかなめ自家用野菜畑」「税金実用百科」。品種・農薬・土肥の大特集は継続 「いま注目の民間施肥技術」 |
| 1986 | (昭和61) | 前川レポートチェルノブイリ原発事故 RMA日本にコメ自由化要求 | 「主張、住みよい地域づくりこそ農協の役割」。豊かに食べる「国産小麦パン大好評」、暮らしをつくる「母ちゃんがお金の出入りをつかむ」、世の中を生きる「借金減らしの手ほどき」、技術「無農薬・減農薬コーナー」「知らなきゃ損する特集」「防除大特集・自然農薬をあなたも」 「特集・注目の炭「減農薬で楽しみ稲つくり・虫見板(宇根)」 |
| 1987 | (昭和62) | 株式大暴落 狂乱地価生産者米価5.95%引下げ | 「主張、地域化こそ真の国際化への道」「主張、日本的共同社会を農村から」。「豊かに食べる」を「マメで達者に」に変更、健康相談の保健婦がつづる連載。暮らしをつくる「実践複式簿記」、世の中「農政ニュース」「風土技術の時代」。 |
| 1988 | (昭和63) | ふるさと創生資金1億円 | 9月号復刊500号記念「食べものと農業が世界を救う」 「主張、中国でほんとうの村おこしをみた」「主張、地域内に農工商のネットワークを」「連載・ワクワク田んぼランド」「連載・痛快への字型低コスト稲作の真髄」「親爺さんの自給畑で地域型献立学校給食実現」 |
| 1989 | (平成1) | 消費税実施 中国天安門事件 ベルリンの壁崩壊 小学校・生活科新設 | 「主張 地域資源、農家の知恵を生かしたふるさと創生を」、特集「中華人民共和国建国四〇周年を祝う」「地球温暖化で穀物不足時代がくる」、「追跡アトピー」、暮らし・89年版税金百科、「コメ輸入自由化論は世界の小数意見」、「への字型イナ作時代が始まった」「粘土・炭・木酢で施肥改善」 |
| 1990 | (平成2) | バブルはじける 19号台風 | 「品種特集 水田利用の魅力作目・品種」「防除特集 ノズルさばきで防除効果は大ちがい 」「水張りっぱなし栽培」 「50歳代は思案のしどき」「細根の活力で、味よく健全・施肥特集」 「アンパンマン登場 国産小麦パンを語る」 |
| 1991 | (平成3) | 湾岸戦争 牛肉オレンジ輸入自由化 ソ連邦解体 | 「連載・アイガモ水稲同時作」「注目のイネ不耕起栽培」「ミカンは夏こそ元肥適期だ」「ネギ・ニラ混植最前線」 |
| 1992 | (平成4) | 新しい食料農業農村政策の方向 | 「元気ハツラツ! アイガモ・水稲同時作」「品種特集 今、青空市がスゴイ! 」「じいちゃんが先生、夏休みの宿題バッチリ」「葉やツルを、かじって食べて生育診断」「キラリ沖縄! 楽しく長寿、そして減農薬」 |
| 1993 | (平成5) | 細川内閣成立 大冷害 ウルグアイラウンド合意 EU発足 | 「茨城玉川農協が韓国のすごい技術を見た、聞いた(土着菌)」「土寄りさせないロータリ操作コースどり」「防除特集 ニンニク・トウガラシが防除で効くわけ」 「楽しきかな! 米販売大作戦」「93年凶作に負けなかったイネを追う」 |
| 1994 | (平成6) | 緊急コメ輸入 自社さ連立政権 新食糧法成立95年11月から実施 | 「イナ作施肥改善で1俵増収を(リン酸追肥)」「私のやり方これは小力栽培だ(松本勝一)」「防除特集 60歳からはラクして効かせる」「新兵器・無人ヘリの可能性」「土・肥料特集 石灰はこう効かす」 「農協の力も借りて米産直」 |
| 1995 | (平成7) | WTO発足・阪神大震災 | 「千客万来農業」「だから儲かる意外経営」「強力パワーの土着菌・植物活性力」「農産加工品 販売許可をとってどんどん売る」 「精肉で販売する産直型畜産経営」「パソコンは10人力の産直事務屋さん」 |
| 1996 | (平成8) | BSE英国で発生 O-157 | 「朝市・直売所でのお米の販売」 「品種特集 転作田んぼを目茶目茶おもしろく」 「農薬散布 かけたつもりがかかってない!」 「荒れ地を宝にかえる目のつけどころ」「日本の底力 いま米の加工が大評判」「発酵食品・納豆の元気をいただく」 |
| 1997 | (平成9) | 消費税5%実施温暖化京都会議 | 全面カラー化へ 「天敵を生かす・がぜん防除がラクになる(土着天敵)」「代かきでいっそうトロトロ、抑草効果を発揮(米ぬか除草)」「 村のシルバーパワー集団ここにあり」「田畑で学ぶ!夏休み自由研究」 「お米と一緒に町に『田舎』を届ける」 |
| 1998 | (平成10) | 新農基法推進本部設置 | 「不況商店街に元気を呼ぶ農家の店」「これが米ヌカ菌体防除法」「農家のパソコン活用術(1)」「スーパー健康作物 ソバ」「転作大豆で地元味噌」「夏は土をよくするチャンス」「村へおいでよ農家民宿」「不況商店街に農家の店を」 |
| 1999 | (平成11) | 食料農業農村基本法成立 | 「産直セラピーで10歳若返る」「百歳 現役!」 「学校と一緒になって村が元気に」「防除をラクに 天敵が居着く畑つくり」「弁当で村おこし」「土・肥料特集 パワー全開!米ヌカ肥料!」「空き教室・廃校の生かし方」「むらの福祉の舞台つくり」 |
| 2000 | (平成12) | 三省合同「食生活指針」策定 循環型社会形成基本法 | 「祝2000年! 後継者が続々生まれる時代が来た(甘楽富岡)」 「まちの人を巻き込んでむらづくり」「 米ヌカで病気を防ぐ」 「米ヌカで『土ごと発酵」』「豆腐・納豆でダイズの販路が広がる」 「10年現役延長の運搬小力機械」 |
| 2001 | (平成13) | 中国WTO加盟 同時多発テロ | 「品種の力で直売所の魅力倍増計画 」「肥料でコストダウン200万円」「提案 転作にエダマメを!」「この加工機械に出会えてよかった!」「黒には愛がいっぱい 黒い作物の秘力」「土・肥料特集 簡単なのにスゴイ!土ごと発酵」 |
| 2002 | (平成14) | 「総合的な学習の時間」スタート アフガン戦争 台湾WTO加盟 | 「苦土でリン酸貯金を下ろす」「無登録農薬問題」「特集・海のミネラル力」「芽が、樹が、果実が変わる 摘心栽培2002」「発芽パワーで健康!」「竹林のスーパー生命力は宝」「酢防除で病気が減って味がのる」「秋の果物で酢をつくる」 |
| 2003 | (平成15) | イラク戦争 | 「 ドブロク復権! 農家の発酵文化を取り戻す」「木酢はやっぱりスゴイ…」「自然農薬 おもしろいからやめられない」 「酢防除でダイエット 健康作物」「 米粉パンVS国産小麦パン」「土・肥料特集 苦土は起爆剤」 「なんでも粉に!」 |
| 2004 | (平成16) | 鳥インフルエンザ発生牛肉トレーサビリティ法施行 | 「もっと使えるぞ! 炭」「自家採種の基礎知識」「生命の水 樹液」「有機物でマルチ」「農薬が減る 混植・混作」「『商品化』術を磨く」「ミミズはスゴイ」「地あぶらに火がついた」「有機物マルチで土ごと発酵」「落ち葉 いまどきの活用術」 |
| 2005 | (平成17) | 食育基本法「食事バランスガイド」策定 栄養教諭制度導入 経営所得安定対策等大綱 | 「大豆の健康力」 「月と農業」「草刈り・草取り 名人になる!」「台風対策100の知恵」「耕し方で変わる」「モミガラ 使わないなんてモッタイナイ」「ザ農具列伝 読者お気に入りの農具集」 2月号・復刊700号記念「『現代農業』用語集」 |
| 2006 | (平成18) | 品目横断的経営安定対策の加入申請開始 | 「灰 究極のミネラル」「食べ方提案で届ける品種」「春のつぼみを食べる」「タネ・苗 いじめて強化」「 耕耘・代かき 名人になる!」「魚で元気になる/魚肥料の魅力」「土・肥料特集 耕し方で畑が硬くなる」 「クプクプ酵母菌の世界へ」 |
いただい農家の方々から、近況などお便りをいただきました。そのなかからいくつかを紹介します。
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▼大変懐かしい文章を読ませていただき、当時を思いだし、感無量です。三七年前の仲間づくりは間違っておりませんでした。今は七二歳になりましたが、地域活動や老人クラブなど、頑張っております。(岩手県・立花利通さん 160ページ掲載)
▼母は昭和五十七年に亡くなりました。私も今年で七七歳になりましたが、まだ現役の百姓として頑張っています。一昨年まで野菜の産直を続けてきましたが、体力の関係もあってやめました。が、米は全量直販を続けています。東京文京区の方々とは平成四年からすでに一四年ほど続いていますが、もうすっかり親せきみたいな信頼が生まれ、とても楽しくやっています。(福島県・吉田恒雄さん 172ページ)
▼定年後、「なべちゃんの自給の家」、そして平成十七年四月、食育工房「農土香(のどか)が誕生、地産地消で農の豊かさを発信し、次代を担う子どもたちに確かな農といのちを伝えることをめざし、農村レストランをやっています。(秋田県仁賀保(にかほ市)の渡辺広子さん 194ページ)
▼有機農業を始めて三三年が経過しました。昨年、その集大成といえる『いのちを耕す人々』(桜映画社制作)が完成し、全国的に上映会が拡がっています。ぜひ、ご覧下さい。(山形県高畠町 渡部務さん 224ページ)v
▼野菜の輪作栽培に専念しておりますが、暖冬のため安価で困っています。夏作に望みをかけて頑張りたいと思っております。(奈良県、窪吉永さん 294ページ)
▼今、集落では一ha区画の水田がもう一年で完成です。自分の田んぼは土着菌ボカシ利用で地力アップできるのですが、担い手として集落全体のアップ、そして、この水田をどう利用していくかが頭の痛いところです(福島県・藤田忠内さん 472ページ)
▼農業も経済成長に負けまいと拡大、工業化してきましたが、結局のところ、風土に根ざした基本に戻ることが生き残る方法だと、改めて思っております。牛には草を充分に与え、木を植え、堆肥で野菜をつくり、チーズ、肉を生産しています。21世紀の農業を求めて、同じことを繰り返し、日々を重ねております・(北海道・三友盛行さん 541ページ)
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愛媛の福岡正信さん(128ページ)からは、最近、不耕起直播が簡単にできる「泥棒播き」を開発したと、電話で元気な声を聞かせていただきまました。
「変わりつつ変わらないこと」を伝えていく。農家もむらも、積み重ねながらの息の長い営みなのだと、改めて強く感じた編集過程でした。(豊島至)

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『今、引き継ぐ 農家の技術・暮らしの知恵 現代農業ベストセレクト集』 時代を戦後復興期、「農業近代化」の時期、近代化の矛盾が顕れ暮らしから農業、農村を見直す時期、地域住民や都市民を巻き込んむ新しいむらづくりがが広がった時期の四つに分けて厳選した農家の技術・知恵集。引き継ぎたい「農家の技術」を凝縮。地産地消を拓いた農村女性の元気をたどり祖父母、親世代の苦労と思いがわかる元気が湧く一冊。 [本を詳しく見る] |
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