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Ruralnet・農文協食農教育2004年1月号

食農教育 No.31 2004年1月号より
教材への切り口 草木染め

クチナシの実でハンカチを染める

染色家 山崎 和樹

クチナシの実

 正月料理で食べるクリきんとん。あれって、何の色か知ってました? あの鮮やかな黄色は、なんとクチナシの実で染めたものなんですって。草木染めって布だけじゃなかったんだ。クチナシも香りだけじゃないんですね。

 もう一つ、クチナシのうれしいところ。木綿によく染まってくれます。草木染めというと、絹の布を用意しなきゃって思いますが、これなら低コスト。まさに学校向け。手軽にハンカチを染める方法を教えていただきました。 (編集部)

クチナシの実は食料品店で購入可。
できるだけ赤みのある実がよい
布の重さを量る 布の前処理(15分)
染料や媒染剤の量は、生地の重さに対しての目安があります ステンレスボールなどに中性洗剤と湯を入れ、ハンカチを浸す
布の重さを量る 布の前処理
例:木綿のハンカチ約15g
(以後、これを基準に解説)
 
染料液づくり
<染料の量>
染める布の重さの100%(同量):今回は乾燥したクチナシの実約15g
軽いものを染める場合、染料液は布の100〜200倍ほど必要
<材料・用具>
湯5リットル、ステンレスボール2個、コシ布、軍手、ゴム手袋
(1)
クチナシを湯2.5リットルの入ったボールに入れ、15分間煮出す
(2)
煮出した液を、布をはったボールにあける
(3)
布をよくしぼり、一番液をとる
(4)
煎じた実は、再度ボールに入れ、手でつぶす
(5)
2.5リットルの湯を入れ、再度15分、煮出す
(6)
(2)、(3)を繰り返し、二番液をしぼる
媒染液づくり(アルミ媒染)
<材料・用具>
ステンレスボール、水500cc、焼き明ばん・小さじ1杯(約1g)
(1)500ccの水を沸かす (2)ハンカチの重さに対して約6%の焼き明ばん・小さじ1杯(約1g)を入れる。弱火で加熱したまま、完全に溶かし(透明になる)、水2.5リットルを加えて媒染液をつくる
500ccの水を沸かす   500ccの水を沸かす
浸し染め
<材料・用具>
染料液3リットル(一番液1.5リットル、二番液1.5リットル)、媒染液、ステンレスボール3個、 ゴム手袋、軍手
(1)[浸し染め]前処理したハンカチを軽くしぼって、一番液と二番液を混ぜた染料液(50〜60℃)に15分浸す (2)[媒染]
軽くしぼり、媒染液に浸す
(3)[水洗]
媒染したら水洗いする。水は2回入れ替えて洗い、 余分な媒染剤などを洗い流す
500ccの水を沸かす   500ccの水を沸かす   500ccの水を沸かす
       
(4)[浸し染め]水洗いしたハンカチを、約70℃まで加熱した染料液に、もう一度浸す   (5)[水洗]再度水洗いする。水は4回入れ替えて洗い、余分な染料などを洗い流す   (6)[陰干し]タオルなどで水分をふき取ってから陰干しする。ほとんどの草木染めは天日干しするが、クチナシの色素は日光に弱い
500ccの水を沸かす   500ccの水を沸かす   500ccの水を沸かす
カ コ ミ 記 事

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