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Ruralnet・農文協食農教育2002年7月号

食農教育 No21 2002年7月号より

次号予告 『食農教育』9月号(22号)2002年8月12日発売

特集 「売る」ことが引き出す力(仮題)

 文化祭・収穫祭が近づきました。子どもたちが育てたり、こしらえたものを「お店屋さん」で売ることは、子どもたちの意欲を引き出し、目的に向かって調査し、企画し、表現する力を培ってくれます。運営方法、お金をとるばあい、とらないばあい、収入をどうするか、PR戦術など、具体的にアドバイス。さらには、朝市にでかけておばあちゃんたちがつくる野菜や加工品の人気の秘密を調べたり、地域の特産野菜を直売所で販売した例など、地域のくらしにかかわった実践も紹介します。

●素材研究 教材への切り口 ムギ
 プランター栽培でイネとの生育くらべ、グルテンでガムや麩づくり、天然酵母のパンづくりから、麦わら細工、粉の文化まで。


編集室から

▼環境学習で地域を勉強しよう、などと言うと、子どもたちはのってこない。しかし、「何でも食べちゃえ」という目で地域を見ると、いろんなことが見えてきて、子どもたちもグングン引き込まれて、クマまで食べちゃえ、なんてノリになるから、不思議ふしぎ(38頁)。都会でも意外と食べられる植物ははえている。「食べる」という視点から地域を見ると風景がかわる!(松田)

▼東京の板橋区立金沢小学校では、全学年で木を生かした活動が展開されている(46頁)。毎年2月、活動の総まとめとして、6年から5年、5年から4年へ、というように、学んできたことを引き継ぐ「豊ゆずり集会」が開かれる。その締めくくりは6年生のリードでジャンプしながら歌う「ラップオブ金沢」。各学年の木を織り込んで歌詞をつくった。体育館が揺れる!(阿部)

▼18歳以上は1人1台、みたいな車社会。地方の駅前はどんどん寂しくなる1方で、歩き、自転車いっぱいの商店街がありました。乾物屋さんの取材ででかけた吉祥寺、高円寺の商店街(76頁)。東京は超過密でみんな車をあきらめたのだろうか。ご近所さんたちでにぎやかな商店街にホッとするものを感じました。調べてみたら、自宅からそう遠くないところにも乾物屋さんが1軒あった。休日は乾物を買いに町を歩こう。(伊藤)

●第48回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高学年の部)
谷本雄治著『カブトエビの寒い夏』(農文協)
全国の書店で発売中!
 宮城県に住む小学5年生の耕平はクラスの生き物博士。父はなるべく農薬を使わない農業をめざしている。ある日、耕平は父の田んぼでUFOのような不思議な生き物を見つけた。それは3億年前から変わらぬ姿で生きている、古代生物「カブトエビ」だった――。
 大冷害の年を背景に、カブトエビを通して、自然が人間に伝えるメッセージを描く意欲作です。いまカブトエビによる水田除草が注目されていますが、本書の著者の谷本さんは自分でカブトエビを育て、農家に取材しながら、この作品を書き上げました。
 子どもだけでなく、大人が読んでも興味深い本です。


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