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Ruralnet・農文協食農教育2001年1月号
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食農教育 NO.11 2001年1月号号より

学校のヒントがバッチリ
  農家と話もはずむ


 『現代農業・4月臨時増刊』「農業と暮らし農家の知恵集」 

農文協発行の月刊誌『現代農業』には、「あっちの話こっちの話」という、読者の多くが一番始めに目を通すコーナーがある。全国の村々を歩いて本を販売(普及)している農文協の職員が、農家から聞いた知恵や工夫を紹介するコーナーだ。たとえば…

風邪の熱さましにアロエ茶ちょっと苦いけど…

福井県三方郡美浜町のあるおばあちゃんは、熱さましにアロエを使っているそうです。孫が風邪をひいて熱をだしてしまったときには、庭先にアロエをとりに行く。20cmくらいの長さの葉を2枚用意して、葉がおさまるくらいの土びんに水を8分目くらい入れ、そこへアロエの葉を入れて水が半分くらいになるまでせんじるのだそうです。20分くらいでできあがるので、それを3〜4回飲むと熱も下がって気分が楽になるそうです。ちょっとにがいけど、とてもよく効くと、言っていました。孫には「のどが乾いたら飲めよ」といって、枕元にアロエ茶を置いておくそうです。

(1985年2月号)

疲れたな、風邪かな?というときのコンニャク療法

ちょっと風邪をひきかけているな、と思ったときの手の打ち方、福岡県筑紫市の八尋幸隆さんから伺いました。名づけてコンニャク療法、「まず、足を40度のお温に15分間漬けて温める。ついで、たぎらしたお湯のなかにいれて充分熱くしたコンニャクをビニール袋に包み、熱いのでさらにタオルでくるんで肝臓の上にあてる。ベルトなどで固定したままコンニャクが冷めるまでじっとあてておく。これを、朝と夜、熱がひどくあるときは昼も、1日2〜3回やれば風邪は治る」という方法。弱っている肝臓を温めて励ます療法だそうです。

八尋さんによると、肝臓、腎臓、脾臓の3つは、人間が働いたあとたまった疲労を後始末してくれるところ。ここに無理がくると病気になるといいます。そして、現代人の生活や、いまの農業のあり方が、まさにこの肝、腎、脾の3つの臓器に無理がくるしくみになっているともつけ加えておられました。

(1988年11月号)

アブラムシ退治に青ガエル

新潟県中魚沼郡川西町の高橋さんは、長らくタバコをつくってきましたが、今、“難敵”が2つあるといいます。タチガレ病とアブラムシだそうです。その“難敵”の1つ・アブラムシ退治に、子どもに集めてもらった青ガエルを、1反の畑に20匹放してやったら、きれいにいなくなったと言っていました。ウソのようなホントの話です。

(1985年6月号)

意外!アブラムシにはコーヒーカス

山形県櫛引町のSさんは、コーヒー豆をひいて、おいしいコーヒーを飲んだ後、そのカスを、なんとアブラムシの予防に使っているのだそうです。コーヒーカスを乾燥させた後、畑のウネ間にパラパラとまいておくだけ。アブラムシはピタッと寄ってこなくなるそうです。ただし、すでについてしまったものの退治はできないので、あくまで予防に使うそうです。

(1991年9月号)

農家の話を引き出す「呼び水」に

この「あっちの話」は、いわば、農家が茶飲み話を通して行なってきた知恵の交換の場に農文協の普及者が入り、これを全国に発信したものだ。食べものや健康を守る工夫から、病害虫や鳥獣害の防ぎ方、体を楽にしたり作まで、いずれも身近にある資源や生きものを活かした工夫だから、すぐにやってみたくなる。

その工夫はまちがいなく、学校園を楽しくするヒントになる。そればかりでなく、先生や子どもたちが農家とつきあううえで、他に類がない「呼び水」になる。地域に学ぶというけれど、地域の知恵を引き出すには「呼び水」が必要だ。他の地域や農家の個性あふれる知恵を投げかけることで、「うちの村では」とか「わが家では」といったぐあいに話が盛り上がる。農文協の普及者も、そんなふうにして村の知恵を発掘してきた。

農文協では2001年3月、この「あっちの話」30年分、約3000件の記事をセレクトして「現代農業・特別号」として発行することにした。乞うご期待。

※ご予約注文は巻末綴じ込みの葉書で承っております。
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