月刊 現代農業
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巻頭写真

畑の野菜や果樹にダメージを与えたり、
貯蔵中のエサや穀物を盗み食い。
小動物といえど、かなりやっかいで憎たらしい。
彼らの得手不得手を知って、
うまく撃退・捕獲するためのヒント集。

「モグラ 地下の穴掘り名人」コーナーより

ワナで捕獲
モグラがバンバン捕れる竹製ワナ

岡山・坂本堅志

前日に仕掛けた竹製ワナにはバッチリモグラが入っていた(写真はすべて依田賢吾撮影)

前日に仕掛けた竹製ワナにはバッチリモグラが入っていた(写真はすべて依田賢吾撮影)

自然の竹だと次々捕れた!

 野菜づくりをして、モグラの被害に悩まされている方も多いのではないでしょうか。私も以前は市販の追い払い器や捕獲器を設置しましたが、なぜか効果があがりませんでした。イタチごっこ、モグラたたきとはよく言ったもので、こちらで追えばあちら、あちらで追えばこちらと、手に負えません。

 そこで、10年ほど前に裏山に生えている竹で自家製のモグラのワナを考案しました。畑のモグラ穴に仕掛けると、自然の竹が気に入ったのか、次々にモグラが捕れました。それから悦に入り、モグラと知恵比べ、ボケ防止をしております。

 モグラには縄張りがあり、一つの畑に1匹しかいないと聞いたことがありますが、居心地がいいのか、わが家の畑には次々とモグラさんがやって来ます。一昨年は1年間に10匹、昨年も9匹のモグラをこの竹製ワナで捕獲しました。野菜の被害が少なくなり、畑にミミズも増えてきました。

モグラワナ設計図

仕掛け方

モグラが入るとワナの中の糸に絡まって、糸がピンと張る

本道の土はつるつる光る

 それでは仕掛け方を説明しますが、仕掛ける前にモグラの特性などを知っておくことも大事です。

▼モグラは目が見えないので警戒心が強く、嗅覚も鋭い

▼側溝などのコンクリート壁に沿って本道を作ることが多い

▼雨の後は土が柔らかく、ミミズも出てくるので、よく活動する

 まず、モグラがよく通る本道を見つけるのが一番です。畑などのエサ場がモグラの仕事場。ねぐらからアゼを通って仕事場に向かう通勤道が本道なので、そこに仕掛けます。

 土が盛り上がったところを足で踏みつけておいて、2〜3日でまた盛り上がれば、そこがモグラの本道です。モグラがよく通る穴は掘って中を覗くと、踏み固められて、つるつる光って見えます。

糸がピンと張ると捕獲成功

 雨の前後に仕掛ければ、よく捕れます。ワナは本道のどちらから来ても入るように、向きを反対にして二つ仕掛けます。この時、必ず手袋をはめましょう。

 仕掛けたら、土をかけ左右のワナの捕獲確認糸を竹杭にくくりつけます。ワナから出るこの糸が特徴で、土に埋めた捕獲器の位置やモグラの捕獲状況を知らせてくれます。あとは見回りの時、糸がピンと張って赤い印が見えなくなっておれば捕獲できています。

 かかってすぐ取り出し口を開けてしまうと、元気なモグラさんはあっという間に逃げ出します。1日置いておくと、ワナの中で死ぬので、それから取り出してください。

 設置から1週間もかからなければ場所を変えましょう。

(岡山県赤磐市)

 取材時に撮影した動画が、ルーラル電子図書館でご覧になれます。 https://lib.ruralnet.or.jp/video/

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現代農業 2018年5月号
この記事の掲載号
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