百の知恵双書タイトル
第一期20巻 B5変形判ハードカバー、平均168頁
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001 棚田の謎―千枚田はどうしてできたのか
002 住宅は骨と皮とマシンからできている―考えてつくるたくさんの仕掛け
003 目からウロコの日常物観察―無用物から転用物まで
004 時が刻むかたち―樹木から集落まで
005 参加するまちづくり―ワークショップがわかる本
006 洋裁の時代―日本の衣服革命
007 樹から生まれる家具―人を支え、人が触れるかたち
008 まちに森をつくって住む
009 昆虫−大きくなれない擬態者たち
010 椅子づくり100年物語―床屋の椅子からデザイナーズチェアーまで
011 台所の1万年―食べる営みの歴史と未来
012 湖上の家、土中の家―世界の住まい環境を測る
013 日本人の住まい―生きる場のかたちとその変遷
014 仕舞える住まいの収納学―ゴタゴタ病根本治療の処方箋
015 家で病気を治した時代―昭和の家庭看護
016 「木組」でつくる日本の家―むかしといまを未来につなぐ家づくり
017 「日本の住宅」という実験―風土をデザインした藤井厚二
018 窓を開けなくなった日本人―住まい方の変化60年
019 パッシブハウスはゼロエネルギー住宅―竪穴住居に学ぶ住宅の未来
020 集まって住む終の住処―自分の意思でくらし続ける知恵と工夫
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棚田の謎

001 棚田の謎―千枚田はどうしてできたのか

著者:田村善次郎・TEM研究所
B5変型判 176ページ
ISBNコード:4-540-02251-2

三重県紀和町と石川県輪島市。海と山の対照的な棚田の成り立ちと仕組み、歴史と文化を多数の写真・図版で解明。五五階建てビルに匹敵する構造、利水の仕組みなどに中世以来の庶民が重ねた生きる知恵の全貌を読む。

目次

はしがき

第一章
棚田の景観は何を語っているのだろう

 山間にも海辺にも離島にもあった棚田
 普及拡大の速かった水田稲作
 棚田が拓かれた場所
 米という特別な食物
 中世の名が残る棚田
 デアイシゴトだった開田作業
 穏田としての棚田
 棚田と鉱山技術
 棚田が語り伝えること

第二章
山間に拓かれた石垣づくりの千枚田を調べる

三重県紀和町丸山
●山の村、丸山はどんな歴史を秘めているのだろう
豊かだった鉱山資源と山の生産力
●丸山の暮らしはどんな特徴を持っていたのだろう
大雨と大風が生んだ屋敷構え
●石垣群をつくったのは誰だろう
黒鍬さんと丸山の石垣
●一〇〇年前、たんぼの枚数は何枚あったのだろう
二四八三枚あった棚田
●一枚一枚のたんぼに、どのようにして水は配られるのだろう
水がたんぼに行く仕掛け
●石垣雛壇をつくるのにどれだけの費用と時間がかかったのだろう
石垣と雛壇工事の見積書
●丸山の棚田の風景はどのように変わっていったのだろう
江戸時代の村の姿を求めて

第三章
海辺に拓かれた土坡の千枚田を調べる

石川県輪島市白米

●白米がある奥能登にはどんな歴史があるのだろう
 中世が残存する奥能登の村々
●白米の暮らしはどんな特徴をもっていたのだろう
 塩田経営と暮らし
●米づくりの魅力と条件とはどんなことだったのだろう
 白米の米づくり
●白米の人々は傾斜地をどのように使い分けているのだろう
 集落の範囲は五五階建て超高層ビルの高さ
●土坡のたんぼはどんな特徴をもっているのだろう
 水を流す仕掛けと変わるたんぼの形
●土坡のたんぼをつくるのにどれだけの費用と時間がかかったのだろう
土坡の棚田の工事見積書第四章 棚田は時代の積み重なり
 井堰がなかった頃の丸山
 井堰がなかった頃の白米

あとがき

協力者一覧・調査の概要

たあとる通信


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住宅は骨と皮とマシンからできている

002 住宅は骨と皮とマシンからできている―考えてつくるたくさんの仕掛け

著者:野沢正光 著
B5変型判 160ページ
ISBNコード:4-540-02252-0

住み心地がよく、環境や資源にも配慮し、地域自然やまちの記憶をつなぐような家は、作っては壊す短命住宅とどこが違うか。建築家が実際の住宅を写真と図面で「解剖」しながらそっと教える設計の「意味」。

目次

はしがき

相模原の家で考えたこと

 空き地に栴檀の大木があった
 指しかけの将棋をするように考える
 まちの記憶をつなぐ
 二階は近いほうがいい
 家の骨組みを鉄骨にする
 住宅は骨と皮とマシンからできている
 断熱性能と木製建具
 コンクリート・ブロックの壁がある理由
 ソーラーハウスを勉強する
 OMソーラーのこと
 家のかたちと暮らしのかたち
 地下室の体験
 オープンな建材を使う
 「現場小屋」が見た夢
  イームズハウス
  インディゴブルーの現場小屋

住宅を考えることはおもしろい

 敷地が住宅の個性をつくる
 周辺環境と応答しながら
 小説のようにプランを読む
 建築のものさし
 骨組みを考えることはおもしろい
 架構と舗設という考え方
 合理の人・吉村順三
  吉村順三の授業
  中野の家と軽井沢の山荘
  気持ちの良さを支える技術と田家kN
  合理的な寸法
  小さな住宅

住宅と地球環境問題

 インナークライメートのある暮らし
 パッシブ・クーリングという課題
 資源循環型社会の建築デザイン
 サスティナブル・デザインの意味
 国中に積み置かれた資源
 豊かな「貧しさ」のほうへ
 つくる知恵と住まう知恵
  欧米に比べ極端に短い「住宅寿命」
  住宅を長持ちさせ、膨大な資源のムダを省く
  室内気候を高める技術を使いこなす
  「外」と「内」の調和を大切に
  光と風を運ぶ庭に生け垣や樹木を

あとがき

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目からウロコの日常物観察

003 目からウロコの日常物観察―無用物から転用物まで

著者:野外活動研究会
B5変型判 168ページ
ISBNコード:4-540-02253-9

植木鉢に転用された炊飯器、公共のフェンスを堂々と借用した布団干し、洋装にゾウリの混用ファッション…庶民のモノとのつきあい方に、暮らしの行く末が垣間見える。リサイクルの建前論を凌ぐ、路上からのレポート。

目次

日常物観察から暮らしの諸相を読む―序にかえて  

第1章 転用物の研究 

転用のデザイン
 おばあさんの「捨てない」暮らし
 「進化」する荷車
 焼却炉             
ペットよけペットボトルの流行とすたれ
 造花
 手づくり無人販売小屋
 路上無人販売所
                
ものの居場所と時間
現代転用物小事典

第2章 無用物の研究

川の漂流物を定点観察する
 ごみと落とし物 粗大ごみ置き場
 街でこわれゆくもの 考現学的盆景
 商業看板 雨の日に響く水音
 路上の空き缶
    

第3章 混用物の研究

和洋混用の衣風俗
一器多用のカップの流行

第4章 愛用物の研究

 大切にされるものたち 嫌われた室外機
 時代映すかかし 人とモノの折り合いの景色
 イミテーションペイント 路上菜園
 郵便箱 雨樋と「平民芸術」
 犬小屋 物見台

第5章 借用物の研究

無断借用の作法と暮らしの美学
 フェンス干し  木のふりをする電柱
平成バブル・サギ落書きの研究
 ペット探す張り紙 犬糞看板

あとがき

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時が刻むかたち

004 時が刻むかたち―樹木から集落まで

著者:奥村昭雄
B5変型判 176ページ
ISBNコード:4-540-03154-6

二枚の皮のねじれの反発力で種子を飛ばすフジ。四五分で一巻き半からみつくカラスウリの蔓。自然のかたちは精密で美しい。住まいや集落にも人の営みが作った意図せぬデザインが。建築家が見た人と自然の博物誌。

目次

はしがき

第一章 樹形を読む

種子の旅
 藤の実がはぜる 宿り木の種子は枝から枝へ
 柳絮が舞う ひるぎは旅をしない

 「からすうり」が巻きつく
 髭はどうして巻きつくのだろう
 水圧構造から木質構造へ 髭はなぜ反転するのだろう
 どうやってつかまえるところを探すのだろう 
 動くのは蔓植物だけではない
 からすうりの花と種子
しだれる
 しだれる白樺 幹を切られてしだれる形に変わる
 「しだれる」と「しだれない」
 光と環境に対する樹の戦略 しだれ方の個性
枝分かれと部分の枯死
 樹の生長 分枝数 優性枝と劣性枝
 分枝角度 重力の方向による補正
 生長と部分の枯死 幹と枝との関係の変化
 個性的な樹形の形成 
パソコンの中で育つ樹形
 数字の組み合わせで育つ「樹」
 架空の天空光と葉球が生長と枯死を決める 
 生長曲線と材の性質 毎日、上野公園を歩きながら

第二章 木曽谷物語

木曽谷の民家
 段丘に取り付く集落 雄大な切妻屋根
 釘の要らない板壁 火を囲む間取り
 馬も家族の一員 養蚕のための二階
 入念に建てられた板倉
 民家はどのようにして建てられたか
 民家の背景と産業 養蚕の盛衰
 悲しき木曽駒 大工の奨励
 明治政府の官・民有区分と自然法
 
 横井戸は天与の恵み 
 木曽の山を再生した尾張藩の林政 
 江戸時代の生活のようすを伝える『木曽巡行記』
 
ある地変―四〇〇年前の語り継ぎ
 社の参道が消えた 田畑も消え、集落は移動した
 尾張藩の隠密が見たもの
 それは戦国の末期 山は荒れていた 進む浸食 
真理姫の五輪塔
 六歳の政略結婚 もてあそばれた運命
 真理姫は本洞川の地変を見ていた
 上村家の蒸籠造りの倉
 

第三章 不思議な生き物

日本蜜蜂の生活
 蜂戦争 最初の蜂蜜を採るまで
 働蜂の分業 「人道的」な蜂蜜採集法
 越冬から春へ 
 巣箱を増やすー旧女王蜂の分封
 新女王蜂分封と婚姻飛翔 
猫のイブ
 イブの登場 イブ、共同保育を始める
 猫社会の文化の伝承 猫さまざま
 イブ、偉大な母性 イブ、わが道を行く
巻き貝…その成長の不思議
 ホラガイは連続的に成長できるか
 不連続な成長パターン 
 ホネガイは一二〇度ピッチで成長する証拠を殻に描き残す
 ホネガイの棘の列は一列全部作り直す 
 ホネガイは砂泥の中で暮らしている

あとがき

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参加するまちづくり

005 参加するまちづくり―ワークショップがわかる本

著者:伊藤雅春、大久手計画工房
B5変型判 164ページ
ISBNコード:4-540-03155-4

成功するまちづくりワークショップの条件とは?情報共有・体験共有・意見表出・創造表現・意見集約・変化の記録という6つのコミュニケーションを住民参加の現場から提案。一人ひとりの意志から地域の意志をつくる。

目次

ワークショップでいこう!―はしがき

第1章 「まちづくりワークショップ」って何だろう?

第2章 プログラムに託されたコミュニケーションの知恵と技

1まずは共通の土俵をつくる―情報伝達コミュニケーション
事例1:行政の本気を伝えた寸劇「区画整理推進課の悩みーみんなのよいまち探し」
事例2:自己紹介にテーマをからめた「このまちを食べ物にたとえると…」
事例3:みんなの記憶を共有する「個人史でつづるまちづくり年表」
 
2「百聞は一見にしかず」の精神でー体験共有コミュニケーション
事例4:現地で初めてわかることがある「敷地読みとり体験」
事例5:隣家からの距離を決めた「敷地体験ゲーム」
事例6:「庭のある待合室」を選ばせた現地での確認
事例7:心の壁を取り除いた「食のワークショップ」
事例8:議論だけでは得られなかった共有体験「マテバシイ伐採」プログラム
 
3考えられることはすべて出してみる―意見表出コミュニケーション
事例9:参加者の希望と不安を抽出する「期待の木、不安の木」
事例10:楽しく意見を出す工夫「晩ご飯の献立づくり」
事例11:「共有空間の使い方」を寸劇でシミュレーションする

4創造し表現する楽しさを味わう―創造表現コミュニケーション
事例12:震災復興住宅への思いを詩歌に託す 76
事例13:複雑な空間構成への理解を深めた「立体デザイン・ゲーム」
事例14:消費者が商売をする側になりきって考える「絶対はやるお店企画案」
事例15:「アナログワープロ」でみんないっしょに条例文をつくる
 
5全体と個の関係づけを工夫する―意見集約コミュニケーション
事例16:施設の使い方について意見を集約する「旗揚げアンケート」
事例17:空間を文章で表現する「デザイン・ランゲージ」
事例18:立場の違いを超えて生み出した「遮音壁なし」という選択
 
6場の変化をとらえて記録する―その他のコミュニケーション
事例19:参加者の意識の変化を映す感想カード
事例20:星空映画会はすばらしい! 「応急仮設住宅屋外上映会」

第3章 「丸池復活プランづくりワークショップ」を読み解く

 「まちづくりワークショップ」の流れを読む
 プロセスデザインの特徴を読みとる

 
第4章 「まちづくりワークショップ」Q&A

 参加の枠組みについて
 ファシリテーターについて
 「まちづくりワークショップ」の進め方
 情報の提供について
 合意形成について
 その他の問題
 ワークショップのフォローアップ   

あとがき

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洋裁の時代

006 洋裁の時代

著者:小泉和子
B5変型判 188ページ
ISBNコード:4-540-03156-2

敗戦後を必死に生きた女たちが担った「衣服革命」。日本の服装は和服から洋服へと劇的に変わった。国民服やモンペをルーツとし、。洋裁教室の流行や「暮らしの手帖」の直線裁ちなどが生んだ日本の衣服文化を読む。

目次

「洋裁の時代」とはどういうことか ……序にかえて 小泉和子

第1章 花開く洋裁学校  吉本洋子

1 衣服革命と洋裁教育
 ・明治期の洋裁教育
 ・大正から昭和戦前の洋裁教育
 ・大正から昭和前期に習得した洋裁技術の生かし方
 ・戦後、なぜ女性は洋裁学校に殺到したか
2 洋裁学校と個性豊かな創設者たち
 ・文化服装学院と二人の創設者
 ・杉野芳子とドレスメーカー女学院
 ・田中千代と服装学園
 ・桑沢洋子と桑沢デザイン研究所など
 ・伊東茂平と伊東衣服研究所
コラム 各洋裁学校の原型の特徴
3 社会事業となった洋裁教育
 ・失業対策・貧困対策としての洋裁講習会  
 ・『主婦の友』記事に見る「授産場の内職」
 ・公共職業補導所

第2章 女の自立を支えた洋裁  吉本洋子

1 高収入だった洋裁内職
 ・職業として洋裁を選んだ理由
 ・洋裁を習った場所と期間 
 ・ミシンの入手法と資金
 ・洋裁仕事の入手法
 ・収入と経済状況
2 洋裁が家計を支えた実態
 ・ミシン一台でこれだけの収入が得られる
 ・家事の暇々に注文服の内職に成功
 ・中年から洋裁学校に入学
 ・旧家の未亡人が研究所を開いて子ども四人を養育
 ・援護事業で洋裁を学び三台のミシンを持つまで
 ・ミシン一台で一一人の家族を養う
 ・病身の夫に代わって生活の危機を切り抜けた体験
 ・働く女性が余暇を活用して増収
聞き書き 洋裁で自立を果たした石黒やゑさん
コラム 女性が考案したチャコペーパー

第3章 農村の洋服化  里村洋子

1 野良着の魅力
2 農村の洋服化へのみちのり

 ・洋装が実生活とまだ大きく離れていた時代……大正末から昭和四年
 ・大恐慌から戦争へ……昭和五ー昭和二〇年
 ・婦人解放と生活改善の模索のなかで……昭和二〇年代
 ・実用的な洋装への精力的研究と実践……昭和三〇年代前半
 ・農村経済の都市化と農作業着の既製服化……昭和三〇年代後半から四〇年初め
聞き書き 私たちの衣服史……新潟県の農村女性に聞く
コラム 新潟で初めての洋装店

第4章 腰巻からズロースへ…洋装下着の普及史  門松由紀子

1 和洋折衷から始まった洋装下着
 ・洋装と和装の下着の違い
 ・洋装下着は防寒と暑さしのぎから
 ・洋装下着の啓蒙活動
 ・女学生と子ども用から普及
 ・戦中の簡素な下着
2戦後の下着……洋装下着の普及
 ・かくすものから誇示するものとなったバスト
 ・手作りから既製品へ
 ・合成繊維と下着デザインナーの登場
 ・本格的な既製下着の普及
3 ブラジャー、パンテイはどう広まったか……下着アンケート調査結果
 ・ブラジャーとの出会い
 ・世代とパンティ(下穿き) 

 
特論 
1 桑沢洋子の仕事着  常見美紀子
 ・生活に根をおろした生きた着物
 ・膨大な仕事着デザインの仕事 
 ・日石ユニフォームにみる衣服哲学
 ・野良着の改良と既製服化
 ・仕事着の素材としてのビニロン
 ・衣服のグッドデザインを求めて
2『暮しの手帖』の直線裁ち  小泉和子
 ・直線裁ちの掲載記事
 ・直線裁ちの役割
 ・花森安治と直線裁ち
 ・花森安治の洋服観と啓蒙活動
 ・日本の衣服の伝統を生かす
 ・洋裁関係者への批判
 ・直線裁ちの残した問題
3 家計を生み出した家財道具「ミシン 」 谷口こずえ
 ・輸入から国産へ
 ・戦後のミシン工業の発展
 ・『主婦之友』にみるミシンの入手方法
 ・あるミシン職人の戦後
 ・女性にとって単なる家財道具ではなかったミシン

あとがき……これからの衣服   小泉和子 

協力者・参考文献

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樹から生まれる家具

007 樹から生まれる家具―人が支え、人が触れるかたち

著者:奥村 昭雄
B5変型判 168ページ
ISBNコード:4-540-03157-0

自然力を生かす建築で有名な著者。その家具づくりは木を生かし人を支える工夫に満ちている。

目次

木との接点……プロローグ

木えらび……年輪は語る
鮪の見分けと木えらび 年輪は樹の一生の完全な記録 成長期のしなやかさ・老齢期の穏やかさ
木口を斜めから見て杢目を読む 隠れ節はどこから始まる

原木の買い付けと製材
雑木市で原木を買う 製材されて木肌が表れる

私が使っている樹
ぶな つが なら かば メープル たも とねりこ くり

木材はなぜ狂う
幻のキャビネット 木が狂う二つの原因 段階的に加工し「狂い」をとる

無垢材は動く
木の動きを殺さない 蟻とほぞ

椅子……最も人間の近くにある道具
人間と触れあい、姿勢を支える椅子
初めて作った「コッコ椅子」 「コッコ椅子」の由来
薄板を使った椅子「板椅子」「おじさん椅子」「おばさん椅子」
栗材を用いた「はんぺん椅子」

書斎椅子「オールドパッチチェア」と「Vパッチチェアー」
スポークチェア−とラウンドテーブル
となりこと籐編みの食事椅子とテーブル
子供用の食事椅子「NONOチェア−」
アームチェア− ラウンジチェア− いろいろなテーブル

椅子のミニチュア

人の手と道具
鉋と「面とちり」 「治具」という方法  

はんぺん椅子に見る加工プロセス
「背当て」の加工プロセス 「脚丸棒」の加工プロセス
「座板の加工プロセス」 はんぺん椅子の組み立て

NONOチェア−製作絵日誌

「箱もの」の面白さ
トールキャビネット サイドボード
ライティングデスク ドレッシングテーブル

折り畳む、動かす
壁掛け折り畳み椅子 折り畳みテーブル
綾とりチェア− 走る木馬「かっぽ」

日本人のためのロッキングチェア−
ロッキングチェア−を作る 揺れ心地はどこから来るのだろう いろいろな姿勢がとれる椅子

四つの椅子を選び実験装置を考える 揺れの早さ(周期)は主に人が決めている
動かしやすさと動かしにくさ 「重い人用」と「軽い人用」のロッキングチェア

人体模型ファントム
人体各部の重量と重心を知りたい 三体のファントムを作る

あとがき

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まちに森をつくって住む

008 まちに森をつくって住む

著者:甲斐徹郎
B5変型判 176ページ
ISBNコード:4-540-03158-9

緑が住まいの空調装置。いちばん賢い住まいづくりの方法。それは緑がもたらす快適環境を住まいに活かすこと。

目次

はしがき

第1章 なぜまちに森をつくるのか

1伝統的な集落に学ぶ
 豊かさづくりは外環境づくりから
 建築による環境づくりの限界
 環境で大事なのは連続性
2個人のエゴと環境共生
 自己完結型のライフスタイル
 「環境」を手段とする
 「コミュニティ」を手段とする
3微気候という共有財産……「経堂の杜」
 個人にとっての外環境
 緑と風が心地良さを生む
4小さなビレッジをつくる……「欅ハウス」
 連続した環境を装置化する
 事業論としての「環境共生」
5集落の原理を街の原理へ
 「自立型共生」という新たな価値観
 環境ポテンシャルを拡張する
 複雑な系をなす街づくりへ

第2章 森のある住まいづくりを実践する

はじめに

1街の中に生まれた小さな森「欅ハウス」
  地主の想いを形にする
  敷地境界を越えて環境価値をつなげる 
  [コラム]地主さんからの立場から
「欅ハウス」のデザイン論
  まずは外から考える
  樹木がつくる気候
  中庭の環境を取り入れる 
  生活を外に開く
  室内に冷気を導く
「欅ハウス」ができるまで
  コミュニティ単位で意志を決定
  三社体制で進めた事業推進 入居者を集める
  合意形成の方法
  住戸をデザインする
  ワークショップによる共用部デザイン
  [コラム]設計者の立場から
「欅ハウス」の暮らし
  中庭を囲んで
  気が付けばパーティ
  自分たちで緑を育てる
  ご近所つきあいの広がり
  心地よさが関係を結ぶ
  [コラム]環境デザイナーの立場から

2すべては暮らしの体験から学んだ 「経堂の杜」
  自宅をつくる初めての試み
  環境共生型コーポラティブ住宅
  さまざまな工夫 
微気候を活かす我が家の工夫
  敷地内の微気候環境の検証
  我が家の仕掛け
夏を涼しく暮らそう
  緑のカーテン
  ある夏の一日の暮らし
  体感から体得へ……達人への道
仮設から新しい発見へ 
  緑の効用……新しい発見1
  冷輻射の快適性……新しい発見2
思うようにいかなかった冬の暮らし 
  一年目の冬
  冬の改善策 
五年目の「経堂の杜」
  季節ごとの暮らしの変化
  体感することの意味
  五年目の「経堂の杜」
  
3暮らしのサポートから環境づくりの担い手へ
「ザ・ステイツ平和台」
  普通のマンションでできること
  たった三つの工夫でも
  植栽計画の見直し
  日除け設置用のフックを付ける
  通風専用の窓を付ける 
環境共生がもたらす価値を伝える 
  販売手法の違い
  体感型モデルルーム
  模型実験
  体感型セミナー
暮らしかたのサポートプログラム
  環境共生の暮らしを伝える工夫
  モニター住戸の体験を共有化するプロセス
  サポートプログラムによって得られた二つの気付き
  サポートプログラムの効果
  [サポートプログラム1]
       ……窓の開け閉めが暮らしを変える
  [サポートプログラム2]
       ……「我が家がリゾート」計画 

4生活戦略としての環境共生 

  企業と共同するということ
  部材単体では実現できない性能
  夏暑い高性能住宅
  企業発から市民発へ
  市民発からもう一度企業へ
  環境の価値は連続性
  空間的連続性
  時間的連続性 
  「ザ・ステイツ平和台」での管理をめぐるトラブル
  住民主体の管理へ
  時間的連続性をつくるための課題
  求められる住宅創造企業
  「経堂の杜」での実践
  ハーブガーデンのルール
  カーシェアリングの実践 
  生活戦略としての環境共生

第3章 「エコロジー住宅市民学校」ただいま開講!

 開講にあたって
 入門編 体感温度実験 
 夏編1 試して実感!「涼しさ」の原理1
 夏編2 試して実感!「快適性の原理」2
 夏編3 街を歩いて涼しさ発見
 夏編4 涼しさをつくる緑の原理
 夏編5 家の周りの暑さを探そう
 夏編6 輻射熱を退治する
 夏編7 緑のカーテンをつくろう
 夏編8 冷たさを蓄える
 夏編9 寝ている間に涼しさをつくる
 夏編10 狭いところでの緑の植えかた
 冬編1 「暖かさ」はどこにある
 冬編2 本当に今の家は暖かい?
 冬編3 熱を逃がさない家づくり
 冬編4 窓から暖かさを逃がさない工夫
 冬編5 住まいに暖かさを蓄える
 冬編6 暮らしを変える暖かさ
 まとめ1 暮らしかたで変わる快適性
 まとめ2 住まいづくりから街づくりへ

自然を活かした暮らしを実践するための便利グッズ

『まちに森をつくって住む』の関連書籍

あとがき

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昆虫−大きくなれない擬態者たち

009 昆虫−大きくなれない擬態者たち

著者:大谷剛
B5変型判 175ページ
ISBNコード:4-540-03159-7

あっと驚く昆虫の生き残り術
食われないための奇策の数々。
ハチに変装するアブ。
鳥の糞になりきるアゲハの幼虫。

目次

カラー口絵 「鳥の糞」擬態 鳥も自分の糞は食べない 他
○昆虫の進化と運命
空中に逃避した親指姫
自活する胚-完全変態というトンデモない奇策
鳥とともに進化した昆虫
○ハチの擬態と四大昆虫
ハチ擬態が生じる理由−ハチ目とハエ目
誤解される胸−甲虫目
なぜ鱗粉は発達したか−チョウ目
○昆虫と博物館
存在をアピールする鳴く虫たち
幾何学と浮力が関わる動物の足
起点と終点の昆虫採集


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昆虫−大きくなれない擬態者たち

010 椅子づくり百年物語−床屋の椅子からデザイナーズチェアーまで

著者:宮本茂紀
B5変型判 151ページ
ISBNコード:4-540-04078-2

「床屋の椅子は、いつから坐り心地がよくなったのか」「マッカーサーの椅子と吉田茂の椅子の違いとは」「フランク・ロイド・ライトが自らデザインした椅子に込めたものは」─椅子の試作開発に永年携わる職人・宮本紀氏が、半世紀にわたって関わった椅子を、ものづくりの現場にいる者ならではの経験と洞察力で語った一冊。
紹介された椅子それぞれの詳細な透視図解も描かれおり、歴史を彩った椅子やデザイナーの椅子から、暮らしの中の椅子まで、まさに椅子の物語とその技術史を併せて知ることができる類書のない書籍である。


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昆虫−大きくなれない擬態者たち

011 台所の一万年―食べる営みの歴史と未来

著者:山口昌伴
B5変型判 152ページ
ISBNコード:4-540-04079-0

今どきのキッチンのどこが問題か。どう変えたらいいのか。美味しい台所革命。

目次

第1章 食べ事とは、食べ物とは、そして台所とは

大事に食べていくために―食事を「食べ事」と読んでみる
美味しい健康、食べる楽しみ―生命をいただいてわが生命歓ぶ
生命と健康-風景を食べる、大地を食べ尽くす
食べ残しのゆくえ―生ごみと芸術のはざまで

第2章 台所のいろいろなかたち

台所の成立ちを探る小旅行―食べられる環境を求めて
うちの台所、まちの台所―ホームキッチンとソーシャルキッチン
住まい全体が台所―ひろがる食べ事の空間
食べられる都市―都市農耕とリサイクル

第3章 近代日本の台所に起こった事―台所がキッチンと呼び替えられて

食べる営みのシステム―それは重要文化財
台所、この100年―台所がキッチンに変わった

第4章 これからの台所、その設計条件―食べる一万年の知恵を

美味しい台所を実現するには―日本の風土に合った日本型台所をつくり出そう
「台所の構え」をもっと自由に―フレキシブル&エコロジカル
食べ事を大事にできる台所―生活の質をたかめる中心として


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湖上の家、土中の家-世界の住まい環境を測る

012 湖上の家、土中の家-世界の住まい環境を測る

著者:益子義弘+東京芸術大学益子研究室
B5変型判 160ページ
ISBNコード:4-540-04080-4

草の浮き島(ペルー)、砂漠の土の家(イラン)、白い洞窟住居(スペイン)、濃い暗がりのある家(ベトナム)…。体当たり調査で測った世界の「住み心地」。

目次

序にかえて

第1章 砂漠地帯の民家を調べる

テヘランから南へ
市街の家・村の家
ゾロアスター教の合宿所
頑固な住まいのやわらかな暮らし

第2章 湖上の葦草の家とアドベの家を調べる

葦草の島と家
石とアドベの家
場所や建築の強度とは何だろう

第3章 地中の家、崖下の家を調べる

アンダルシアの二つの家
地中の住居群
崖下の住居群
白い被膜がはたらく力

第4章 囲みの家、籠の家を調べる

ベトナムの村と家
住まいのかたちを決める2つの側面
家々の閉鎖性と涼感のありか

第5章 民家のかたちと気候

測って考える キャビール砂漠周縁の住居
チチカカ湖上とその周辺の住居 アンダルシア地方の洞窟住居と崖下の家
ハノイ市近郊の家、ホイアンの市街住居、山間に済む種族の家

あとがき
たあとる通信


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日本人の住まい-生きる場のかたちとその変遷

013 日本人の住まい-生きる場のかたちとその変遷

著者:宮本常一 +田村善次郎(編)
B5変型判 172ページ
ISBNコード:978-4-540-04081-8

広範な全国に及ぶフィールドワークの見聞と体験を通して日本の民家を庶民の「生きる場」という視点から見続けた宮本常一の刺激的な民家論。

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目次

第1部 日本人の住まいはどうのように変わってきたか

第2部 暮らしのかたちと住まいのかたち

能登の旧家 的場氏の先祖 広大な持地 大家族が暮らす家 大きな二軒の助け合い 家の中の暮らし 禅寺のような時国家 村に大きな家が必要だった理由

土間の広い家 土間と厩 広い土間のある長屋造り 家の三つの使用目的 桁はずれに小さな別家 喜びにもかなしみにも大家に集まる 東北地方の中門造りの家 全国平均より大きな東北の農家

土間住まい 東北・北陸に長く残った土間住まい 土間のある暮らし

土間の狭い家 土間の狭い山間の畑作農家 白峰村の親方の家 必要とされた親方の起業精神 畑作地以外の土間の狭い民家

二つの家 分棟型の民家 高床の家と土間の家 片側造り 二棟造り 黒石の郷土の民家 本州の二棟造り 大和棟と民家 二つの家の結婚の名残

寝間と家の神 寝間の呼び名 単一家族居住と隠居 寝間が複数ある民家 神聖な寝間 寝間と塗籠 寝間と産所 特定の寝間のない家 キリシタンと納戸神 寝間と仏壇

カマドとイロリ 暖房・照明と炊事の火の分裂 絵巻物に見るイロリとカマド 釜と鍋 炊事法と家の構造 土間のカマドと床上のカマド 土間から床へ上がったイロリ 異質なカマドの神 燃えつづけるイロリの火 イロリの座

家作の統制 江戸時代の住宅の統制 本百姓は七畳半二間の間取り 統制された屋根の葺き方 小さい住居と広い敷地 東日本に見る家作の制限 同族間の家作の統制 囲い造りをした民家

客間の発達

便所と風呂 家の入口にあった小便所と風呂 農業の発達と屎尿の需要 発達の遅かった便所 便所の呼び名 風呂の発達 生活を楽しむ場へ

あとがき
たあとる通信

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仕舞える住まいの収納学

014 仕舞える住まいの収納学-ゴタゴタ病根本治療の処方箋

著者:山口昌伴
B5変型判 158ページ
ISBNコード:978-4-540-04082-5

モノが溢れ、片づけても片づけても片づかない今どきの住まい。これは現代日本特有の生活風景である。日本の住まいも昔は片づいていた。今どきの生活景観の乱れはライフスタイル不成立の露呈であり、生活設計の立て直しをゴタゴタ景観が要請しているのだ。仕舞える住まい-その住まい方と仕舞い方を求めてゴタゴタ現象を分析していくとき、そこに近代消費社会のあり方からモノの生物にも似た振舞いまで、実に多面的な事象のからみあいの構造をとらえることができる。レントゲン技師のようにモノ溢れの生活場面を透視して、その原因の相関を解剖したゴタゴタ病根本治療の処方箋。

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目次

第1章 人・物・生活空間-人・道具・生活系混乱の構図

1 人・道具システムと生活空間
2 溢れはじめたモノの正体
3 西欧では片づいている
4 物持ちの持ち物学

第2章 仕舞う物と仕舞われる物-収納の類型学

1 収納スツール
2 薬箪笥:百味箪笥
3 階段箪笥
4 針箱よりも裁縫筥
5 出し並べ仕舞いの系譜
6 みずから身仕舞いする道具
7 見せる収納
8 吹き溜まる物たち

第3章 仕舞うための住まい-収納空間学

1 全面床下収納の家
2 世界一周「玄関」の旅から
3 玄関から住まいを設計する
4 ダイニング玄関の家
5 土間に居たがるモノたち
6 勝手口から住まいを設計する
7 収納たくさんの夢

第4章 囲みの家、籠の家を調べる

ベトナムの村と家
住まいのかたちを決める2つの側面
家々の閉鎖性と涼感のありか

第5章 家の中だけでは片づかない-社会工学の視角から収納を

1 私有と共有
2 高度サービス社会
3 引越し苦の抜本的解決法
4 生活文化財ひと揃えの社会的収納庫の提案

あとがき
たあとる通信

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家で病気を治した時代

015 家で病気を治した時代-昭和の家庭看護

編著:小泉和子
B5変型判 158ページ
ISBNコード:978-4-540-04083-2

昭和戦前期はもっとも家庭看護の発達した時代だった。氷枕、氷嚢、体温計、吸入器、浣腸器は多くの家庭にあった。切り傷にドクダミ、腫れ物にツワブキ・・・民間療法の知識も豊富だった。ひとたび家族のだれかが病気になれば家族が力を合わせて看病し、病気と闘った。産婆も町医者も按摩も鍼灸師もそれを助けた。家のなかで人の生死に向き合うことでいのちの尊さとそれを守ることの難しさを痛感した時代であった。医療の充実を願うことは病気を医者まかせにすることではない。病気も生も死も自分のこととして立ち向かった時代から学ぶものは何か。

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目次

はじめに - 今なぜ家庭看護を取り上げるのか
カラー口絵

第1章 家で病気を治した時代-都市と農村にみる家庭看護

都市にみる家庭看護の最盛期
・『主婦之友』にみる昭和時代の家庭看護
  病気の種類と時代による変化 家庭看護記事の実際
・『細雪』にみる家庭における病気への対処
  病気からみた『細雪』 どこで誰がどのように看護したか 蒔岡家の常備薬
・家計簿を通してみた病気への対処
  医療費を項目別にみる 原田家における病気への対処

【コラム】家庭看護の七つ道具

農村に多い病気と治療
・農家向け雑誌『家の光』にみる農村に特有の病気
  昭和前期に特有の病気 昭和後期に特有の病気
・どんな家庭療法が行われたか - 新潟県の例にみる
  大関クラさんの場合 蓑輪喜作さんと蓑輪ハナさんの場合
・農村の医療組織の取り組み - 新潟県の例にみる
  葛塚医療同盟診療所 - 小作農民手作りの診療活動(昭和初期)
  保健婦の活躍 - 戦中から昭和三〇年代を中心に
  農協の病院の取り組み - 農薬中毒対策(昭和四・五〇年代を中心に)
  胃ガン検診受診率日本一 - 旧守門村の取り組み(昭和五〇年代以降)

【コラム】配置家庭薬と家庭常備薬
【コラム】生活の知恵として普及した民間療法

第2章 変わりゆくお産のかたち

出産 - 妊娠から産湯まで
・「多産」から「少産」の時代へ - 『主婦之友』を参考に
  高かった妊婦の死亡率 多産に悩む女性たち 人工妊娠中絶の増加と受胎調節
・家でのお産 - 助産婦・中田民子さんの話から
  妊娠から産後まで産婆のお世話に 「穢れ」を忌む農山村のお産
  忌み事に縛られない「近代的な」お産

助産師と消えゆく自宅分娩
・トリアゲバアサンから産婆へ
  経験がたよりのトリアゲバアサン さまざまな立場の産婆たち
・新産婆の役割 - 助産師・三好玲子さんの話から
  ハイカラな「近代」の象徴 会陰保護は腕の見せどころ
・戦後の助産師 - 減少する開業者
  産婆の存在の危機 激減する開業助産婦
・消えゆく自宅出産 - 施設分娩主流の時代
  難しくなった家庭での分娩 自然のお産のよさ

【コラム】町のお医者さん(1)慕われた町のスーパーウーマン - 渡邊智恵さん

第3章 怖れられた病気-結核と急性伝染病

「国民病」と呼ばれた結核
・結核とはどういう病気か
  「寅さん」も結核だった 主婦に期待された役割 『主婦之友』にみる結核
・家庭療養書にみる結核看護の理想
  庶民の味方・家庭療養書 さまざまな結核治療法 「愛と忍耐の看護技術」の自然療法
  健康回復の基本は食欲 空気は第二の栄養 安静が解けたら抵抗力を増進 結核の対症療法
  療養室の設備と器具 看護人の日課 藁をもつかんだ結核患者 - カワウソの肝から石油まで
  売約を漁っても治りません
・追いつめられる結核患者たち
  結核患者の暮らし 結核患者をとりまく差別 女性患者の惨めな境遇 戦時下の結核患者たち
・結核の妙薬 - ストマイの登場

猛威をふるった急性伝染病
・急性伝染病と家庭看護
  急性伝染病とは 流行の条件を温存していた生活環境
  避病院は死病院 家庭で行えたのは、まず予防 蠅は細菌の飛行機
・急性伝染病の実際的看護法
・さまざまな民間療法

【コラム】町のお医者さん(2)貧しき人々と共に - 南雲君代さん
【コラム】駒込病院雑詠

第4章 家庭看護と人

派出看護婦と保健婦
・派出看護婦の歴史 - 家庭看護の時代の看護婦
  派出看護婦と看護婦会の誕生 派出看護婦の普及と取締り規則 戦後、新しい制度のもとで
・派出看護婦の仕事と暮らし
  派出看護婦になるには 派出看護婦による家庭看護 派出看護婦の暮らし
・保健婦という仕事 - 地域の健康増進のバイブレーヤー

按摩と鍼灸師
・もうひとつの医業
  他によい治療法があった そして、按摩・鍼灸は残った マッカーサー旋風
・群れなす人々
  按摩さん 鍼灸師

【コラム】町のお医者さん(3)母の立場で診る - 森竹富美江さん
【コラム】町のハイカラだった医院建築

あとがき
たあとる通信

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「木組」でつくる日本の家

016 「木組」でつくる日本の家―むかしといまを未来につなぐ家づくり

編著:松井郁夫
B5変型判 160ページ
ISBNコード:978-4-540-05001-5

新建材で覆い尽くされ、三〇年そこそこでゴミにされてしまう国籍不明の今どきの日本の住まい。かつて日本の家は近くの山の木を使い、大工が木と木を組んで丈夫な架構の長寿命の家をつくっていた。それが美しい町並みの景観となっていた。古民家の骨組みはどのように合理的なのか。開放的で耐震的な家づくりの秘密はどこにあるのか。気候風土に根ざした長寿命の家づくりとはどんな家づくりのことか。古民家に学んだ家をつくることが、山と職人と住まい手をつなげ、荒れた日本の山々を再生させることにつながる。これからの「日本の家」づくりのありかたを伝える実践の書。

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目次

はじめに - いまなぜ「木造の家」づくりなのか

第1章 木組が支えた日本の家

・民家の木組に学ぶ
  見直される民家 木造住宅の寿命 木造住宅のつくり方もいろいろ
  古民家には資産価値がある 民家の木造に学ぶ 「もったいない」の古本屋さん
  三軒分の古材を組んで家をつくる 職人こそが文化の伝承者
・合理的な古民家の架構
  見える架構は長寿命 古民家の合理的な架構のルール 合理的な田の字型プラン
  田の字型古民家の再生-「鹿沼の麻問屋」 住宅は納屋のようにつくるべし
  丈夫な折置組 無駄のない二間グリッドの間取り 杣人の家の再生-「五日市の民家」
・開放的で耐震的な家づくり
  架構と間取りの合致 門型フレームの「福井の家」 「サの字型」プランの汎用性
  見直したい「足固め」の存在 「中引き」という部材 開放的で耐震的な木造住宅
  大黒柱の復権 貫の再評価 冬暖かく夏涼しい「金沢文庫の家」
・水と火と木造住宅
  古民家を長持ちさせた上屋と下屋のルール 木と火 福島の茅葺きの家
  四年かかった茅の葺き替え 水廻りは下屋に
・豪雪地帯の町家再生
  気候風土と屋根 通りと町並み 豪雪地帯の町家再生-「やなぎや薬局」
  中柱だけのワンルームの秘密
・「日本の家」を取り戻そう
  始まった「日本の家」の見直し 「木造の家」づくりの理念と実践 民家の美しさに学ぶ

第2章 「木組の家」づくりと設計者

・家づくりと設計者の役割
  家づくりのつなぎ手 敷地を読む 住まい手のライフステージを考える
・気候風土に根ざした家
  家の形状は気候風土が決める 日本の気候データを知る
  エネルギー効率の良い家づくり 自立循環型の家づくり
・家づくりと地域景観
  現代日本の景観 美しい景観に学ぶ 「地域の顔」を抽出する
  田建地区内の建物-「荻の家」
・「こだわり」の整理学
  ボーダレスな時代 足し算より引き算 こだわりを整理する
  設備よりも木組にこだわる 高仕様はいらない
・設計者の小さなメディア
  ウェブの大海に漕ぎ出す 小さなメディアを持つ ニューズレターを送る
  現場も事務所もショールーム

第3章 住まい手と山と職人をつなぐ

・家づくりを山づくりにつなげる
  失われた「住んでみたい日本の家」 「木の家」の混乱と伝統構法
  ワークショップ「き」組の発足 「木造の家」づくりと木の性能 森林ボランティア
・ワークショップ「き」組の家づくり
  環境問題と文化の伝承 社会の財産としての家 木は生きている
  住まい手と山と職人をつなぐ 山を循環経済に戻す
  職人と共に歩む 家づくりのルール 「木組の家」を望む人の割合
・木組は人組-「木組」でつくる日本の家
  素材から架構を考える「結い」の再構築 手仕事のおかげ
  これからは協働が大切 「木組」でつくる日本の家

あとがき
たあとる通信

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「日本の住宅」という実験

017 「日本の住宅」という実験―風土をデザインした藤井厚二

編著:小泉和子
B5変型判 168ページ
ISBNコード:978-4-540-05002-2

大正末から昭和初期、日本の建築学に西洋式の設計思想が浸透し始めるころ、これから必要な日本の住宅を考えた建築家・藤井厚ニ。環境工学の先駆であり、日本の住文化を提唱した藤井の仕事が、いま新しい。

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目次

はじめに
カラー口絵

第1章 日本の住宅をめざして

・藤井厚ニの生涯
・時代背景
・藤井はなぜ忘れられたのか
・実験住宅

第2章 日本の風土に適合した住宅

・夏が厳しい日本の気候
・環境共生住宅をどうつくるか
  「設備」 夏の対策
・聴竹居に見る環境共生住宅
・その他の住宅に見る環境共生手法
・藤井の環境共生手法のその後

第3章 畳と椅子の融合

・家族本位の合理的な平面
・イス座とユカ座の融合
  ユニークな試み 「ユニークな試み」その後
・造りつけ家具
  室別の造りつけ家具 なぜ造りつけにしたのか
・独立家具
  室別の独立家具 藤井の家具デザイン

第4章 和風材料による内装

・和風デザインの尊重
・和風材料による内装
  天井と壁の内装法 聴竹居と閑室の内装
・照明器具と天井デザイン
  和風デザインの照明器具 幾何学構成の天井と照明器具
  和風材料による内装の近代化
・藤井厚ニの今日的意義

藤井厚二住宅作品・著作リスト

あとがき
たあとる通信

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窓を開けなくなった日本人

018 窓を開けなくなった日本人―住まい方の変化六〇年

編著:渡辺光雄
B5変型判 168ページ
ISBNコード:978-4-540-05003-9

縁側や通り土間がなくなり夕涼みをしなくなった日本人。些細な日常生活の起居動作から、モノに振り回される戦後日本のライフスタイルへの反省と「手足を動かす生活」を取り戻す家・住まい方を提案。

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目次

はじめに

第1章 サザエさんとブロンディの住生活−日本人の住生活の特徴はどこにあるのか

 1. サザエさんとブロンディの家はどこが違う?
 2. 上床のユニークな日本人の生活
 3. 和洋の暮らしの不思議な逆転現象

第2章 激変した戦後住宅の60年−住生活を変えたモノの正体

 1. 新建材が変えた戦後住宅と暮らし
 2. モノに占領された戦後住宅
 3. 家財と設備が変えた家の機能

第3章 窓を開けなくなった日本人−起居動作の変化とその問題点

 1. 生活のディティールを見る目
 2. 「夕涼み」をしなくなった日本人
 3. 「修羅場の部屋」と住宅の機能
 4. 「通り土間」を忘れた日本人
 5. 玄関に始まった「ビルドイン現象」
 6. 床の使い方を迷い始めた日本人
 7. 窓を開けなくなった日本人
 8. 集合住宅に「縁側」は無理なのか
 9. ダイニングキッチンに戸惑う主婦
 10. ユニバーサルデザインと台所のいろいろ
 11. 履物が少なくなった日本人
 12. ホテルで戸惑う五つの事

第4章 これからのライフスタイルと住空間−住宅と住生活に関する九つの提案

 1. 住宅地に関する三つの提案
 2. 住生活のためのゾーニング
 3. ライフステージと設備
 4. 「動かない生活」から「動く生活」へ

あとがき
たあとる通信

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パッシブハウスはゼロエネルギー住宅

019 パッシブハウスはゼロエネルギー住宅―竪穴住居に学ぶ住宅の未来

編著:野沢正光
B5変型判 160ページ
ISBNコード:978-4-540-05004-6

地球温暖化を前にして私たちの住まいのあり方、暮らし方が問われているなかで今、注目されているのがパッシブハウスである。環境建築の第一人者が、多くの事例と共に指し示す21世紀の日本の住まいの行くべき道。

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目次

まえがき

第1章 火の記憶を繋ぐ

 家は気候をコントロールする仕掛け
 地熱を利用していた竪穴住居
 燃やし続けた火
 火をコントロールしてきた人々
 竪穴住居と地中温度
 煙になって考える―火の記憶と暖炉
 江戸と里山と自然エネルギー

第2章 火の変遷と住宅革命

 産業革命と「第二の火」の誕生
 電力に託された住宅の夢―藤井厚二とフィリップ・ジョンソン
 新しい素材の出現と未体験の室内環境
 北海道とコンクリートブロック
 赤信号のともる「石油の時代」
 「第四の火」―原子力への期待と絶望
 「パッシブ」という思想と技術の進展
 奥村昭雄とソーラー研
 「プラスエネルギー住宅」という住宅革命
 熱交換型換気扇と先進的住宅技術
 方法はすでに見えている

居住のための開口部

 開口部という「習俗」/「ガラスの家」/居住のための開口部を目指して

なぜ北海道の住宅に共感を覚えるのか

 「生存」への脅威―極寒の地の果菜
 北海道尾でのトライアル―高断熱・高気密空間の実現
 「空気の質」の探求―OMソーラーと北海道

第3章 パッシブソーラーと私たちの宿題

 国際主義と「負」の荷物
 思索を紡ぐ技術
 ライトのグラビティ・ヒーティング
 吉村順三のファーネス暖房
 エコロジカルトライアルの先駆
 断熱材の発見―熱を制御する家の始まり
 OMソーラーと気密・断熱のトライアル
 レス・イズ・モア―50年代の住宅への共感
 使い続けることこそサスティナブル
 「木造ドミノ」で考えたこと
 宿題を発見し、答えを出す勇気―ヨーロッパの「大きな合意」
 「ここだけの技術」としての木造建築

3軒のベーシックハウス

 住宅の50年代―共有した空気と誠実な提案
 3軒のベーシックハウス―試みられた共通の手法
 解体可能な建築へ―駆体と外皮の分離
 住宅の短命に抗して

あとがき
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集まって住む終の住処

020 集まって住む終の住処―自分の意思でくらし続ける知恵と工夫

著:齋藤祐子
B5変型判 168ページ
ISBNコード:978-4-540-05005-3

支え合う関係を住まいの形にすると?世代や血縁の枠を越え、ボランティアや専門家も参加。でも「私らしい暮らし」は確保する。生まれ育った土地で多世代が集う暮らしを日本と海外の実践から学ぶ。

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目次

はじめに
カラー口絵

第1章 活き活きと暮らすための知恵と工夫

・第三の人生の居場所を考える
 自分の居場所はどこ? 自分の意志で生きる場所 終の住処に必要な三つの要素
・地域に開かれた場所をつくる
 地域とつながる工夫 塀をつくらない 自然とのつながり
 半外部の縁側、サンルーム、デッキ 人の集まる場所
・人との距離を工夫する
 ゆるやかな共同生活 引き戸の役割
・身体をサポートする住まい
 アンチバリアフリーの住まい 病を乗り越える住まいの工夫 動線は短いほうがよいのか
 水廻りの工夫 プライバシーの尊厳と自立――個室とトイレ 手摺りはいつ付けるか
 木と土と紙――自然素材で仕上げる 五感で感じる 明るすぎない照明

第2章 集まって住む「終の住処」

・誰と住むか、どこに住むか
 ひとりでは生きられない どこに住むか 誰と住むか 女の老後、男の老後
 血縁を超えた人のつながりのなかで 新しい自分を発見する終の住処
・兄弟、姉妹で住む
 ロフトのある隠居所
  元気に暮らすために大切なのは夢 若い人が集まる場所に
 便利な商店街に姉妹で住む
  都市に住み続ける 壁に囲まれた庭をつくる 個人の生活を大切に考えた共同住居
 ギャラリーと仕事場のあるふたつの住居
  戦前からの住まいの建て替え 大きな木のデッキ ギャラリーは街のお茶の間
  定年後の「働く場所」をもつ住居 車椅子でも暮らせる工夫
・多世帯でいっしょに暮らす
 田んぼに囲まれた「終の住処」
  人が集まる終の住処 自然のなかで暮らす 散居型多世帯、多世代の住まい
 仕事場のある三世帯住居
  仕事場を備えた共同住宅 採光を工夫した共用居間 独立した三つの個室
  共用部分は住居のなかの路地 土で仕上げる
 <インタビュー 平田オリザ> 独立しながら共に住むかたち
 三世帯住居のターミナルケア
  子育てからターミナルケアの住まいへ 地域のサポートを受けて看取る
・「終の住処」を住み継ぐ
 築四〇年、増改築した多世代住居
  トイレ、洗面のある独立した部屋をつくる 人の集まる居間ができた
 一〇〇年住宅へ住み継ぐ「終の住処」
  戦前の新興住宅地 中廊下型の大家族住居 独立した「離れ」と「隠居所」
  大家族のターミナルケア 「終の住処」として住み継ぐ

第3章 サポートを受けて暮らす

・集まって住む「新しい住まい」
 サポートを受けながら集まって住む 共生住宅での暮らし
 認知症高齢者の新しい住まい――家族だからできること、できないこと
 グループホームと小規模多機能型居宅介護事業所
・社会ネットワークに支援された住まい
 ――グループリビングCOCO湘南台
 「自立と共生」のグループリビング COCO湘南台を訪ねて 地域への働きかけ
・自宅での生活をサポートする縁側のある住まい
 ――小規模多機能型居宅介護事務所「ふれんどりぃの郷」
 小規模多機能型居宅介護事務所の役割 時間を引き継ぐ住まいの改装
 高齢者介護のエネルギー これからの展開
・認知症高齢者が集まって暮らす中庭のある住まい
 ――グループホーム「あおぞら」
 病院や施設でない住まい 多世代が集まって暮らす小さな社会
 中庭のあるグループホームの暮らし 地域に開かれた中庭 設計の工夫 第三の人生に挑戦

第4章 「終の住処」は地域再生の拠り所

 仲間と生きる場所 仕事のある暮らし――高知、「市」が賑わう街 アトリウムのある集合住宅
 柔らかな街、柔らかな建築へ 暮らしの記憶を辿れる街 終の住処を地域再生の拠り所にする

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