2009年 中国江蘇省鎮江市 「中日韓農業発酵技術普及会」 参加報告

 

農業生産法人 ()えこふぁーむ

代表取締役 中村 義幸

 

2009年9月3日〜9月6日にかけて、「中日韓農業発酵技術普及会」に参加しましたので御報告致します。 

えこふぁーむでは、鹿児島県肝付町で、黒豚の放牧と無農薬野菜の生産を組み合わせた、環境負荷の小さい循環型の農畜産業を実践や、山林や耕作放棄地を黒豚の鼻耕法や排泄物で肥沃な土壌に回復させ、無農薬野菜も栽培・出荷しています。

また同時に、次世代のために広葉樹の植林による水涵養にも取り組んでいます。環境教育活動に夫婦で取り組み、オーベルジュ「森小休(しんこきゅう)」も開業し、都市と農村、消費者と生産者の「都農(とのう)交流」を実施しています。

 私は()農文協様からの御依頼で、当初は「乳酸発酵飼料」についての講演を受け持つ予定でしたが、急遽「土着菌発酵床」についての担当になりました。

 9月3日、福岡空港から上海空港まで、今回佐賀県から御参加された永渕晴彦氏(かんきつ類栽培)と同行しました。上海空港では沈暁昆さん(鎮江生態農業研究所長・鎮江天成畜禽生態養殖場首席専家)が満面の笑みで迎えて下さいました。

 上海から成田空港からの合流組と迎えの車に同乗して。鎮江市まで約3時間半の道中を楽しみました。途中のSAで名物の粽(ちまき)を食べました。いろんな種類がありボリュームも味も満点でした。夕食は、鎮江市人民政府主催の歓迎会で、副市長の陳建設氏以下多くの関係者と交流を持つことが出来ました。白酒の乾杯の洗礼を受けました・・・。

翌9月4日は、午前中から開幕式の後、発酵床・発酵飼料・発酵肥料の3つの分科会に分かれて熱心な討議が行われました。私は、「発酵床養豚の実践と示唆について」の講演をし、韓国の鄭 湧勳氏(益山市庁 畜産管理課長)は「家畜糞尿の資源化」、中国の顔 培実氏(南京農業大学動物科学学院教授)は「発酵床養豚の科学的考察」について発表しました。午後は発酵肥料工場や実践農場等、3箇所を見学しました。

  9月5日は5班に分かれて、カウンターパートとの技術交流を行いました。

私は小田原から参加された笹村出氏(養鶏、自然農法)と共に、鎮江市丹徒区の恒哲生○(太+心)養殖場を訪れ、平飼いの養鶏とミルワーム(黄粉虫)の養殖の様子を拝見しました。日本では見かけない青い卵が印象的でした。その後、戴○成氏が経営する発酵床養豚場を訪問しました。そこにはLWDの豚と共に梅山豚(めいしゃんとん)も肥育されていました。また、広い敷地内では合鴨の生産も行われており、雛が行列を作って水面を泳いでいました。交流の中で中国の方々が熱心に情報を得ようという姿勢がひしひしと伝わって参りました。

 久し振りの共産国、中国訪問で様々な変化を垣間見ることが出来ましたが、ホテルのフロントに募金箱が置かれていたり、四川大地震の被災地に中国各地からボランティアの人々が駆けつけ、農業や畜産業の復興支援をしているというお話に感動しました。