▼[特集]
特集:いま、なぜ体験学習か
職場体験学習実践の課題……池上正道
人生を拓くための職場体験学習……大山圭湖
兵庫・「トライやるウイーク」の実態を見る……梅本都彦
学校ではできないことを「体験」で学ぶ……飯田 朗
「勤労体験学習」の現状と課題……安田喜正
体験学習は奉仕活動とは違う……石井良子
【実践記録】フリーウェア集によるコンピュータ教材……桑田忠司
【論文】「技術科」教育の社会的役割(1)……三山裕久・向山玉雄
教育改革国民会議が、奉仕活動の義務化を提唱したことは、まだ耳に新しい。そのせいか、職場体験を総合学習に組み込む中学校が、急速に増えている。体験が乏しいと言われる現代の子どもたちだが、無理矢理仕事場に行かされるような体験活動で、子どもたちの心は動くのだろうか。
東京の高級住宅地にある中学校では、あえて中小零細の職場を子どもに訪問させている。彼らの日常では触れることのない仕事場で働く人たちの気持ちを知ってほしかったからだ。ネジ製造業を訪問した子は、最初、「なんだネジ屋か」と言っていたが、その精密な仕事ぶりを見るうちに、次第に引き付けられ、最後は工業デザインに進みたいというまでになる。強制ではなく子どもの意志を尊重すること、丹念に職場に依頼することがポイントで、そんな体験活動なら子どもたちの進路・生き方に大きな影響を与える。最初は緊張感にみちていた職場体験も、何年も経過するうちにマンネリになってくる。そんな時期、新たに林業体験と間伐材のベンチづくりを取り入れたら……。
総合的な学習の開始に向けて、必読の号!
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