●三重県南島町の女性より、『講座食の文化』の発刊に向けてメッセージをいただきましたのでご紹介します。

「毎日の食生活は実に手抜きばかりで楽々食べていると思っています。楽とは省力のことなのですが。私はつまみ食い的だ反省していますが、田畑がありながら耕作せず、食べたいものを買って食う。田畑にコスモスが風に吹かれているのをカメラに納めているなんて狂っていると思います。でも現実なのです。
近鉄沿線の田畑は菜種畑で一面黄色いじゅうたん、その中を一筋電車が通っている風景でした。農家は自家栽培のものばかりで食事ができました。私の子どものころです。今53歳になり、40年ぐらい前のことなのに、当時は今日を予想できたでしょうか。我が家で菜種を栽培しなくなったのはいつ頃か、思い出せません。
食油がサラダ油に変わってきた頃はまだ栽培していましたが、菜種が輸入され、価格が合わなくなったから全国的に菜種農家は消えたのでしょう。時代とともに、政策とともに人々の生産するものも、食べ物も変化しているのですね。またたく間にとは私の40年を指すように感じます。技術どころか種もなくし、存在してたことも忘れられてしまう。恐ろしいように感じます。
食は文化なのだと今更に感じます。農文協さんの心に感謝します」。
 

確かに、食卓では毎日サラダ油とっているのに菜種をとる農家って少ないですよね。