食農教育 No.79 2011年3月号より
アイデア01 その後のお世話も楽しくできる!
タネはおへそで温めるべし
イラスト:角愼作(34〜62頁)硬いカラに覆われたアサガオのタネ。クラスみんなでいっせいにまいたのに、「私のだけ芽が出ない……」なんて子はいませんか? そんな悲劇とも、これでサヨナラ! なんと土にタネをまく前に、子どもたちのおへそで発芽させてしまうのです。
タネを発芽させるには、温度と水分が必要です。長野県栄村立北信小学校の斉藤充子先生が、やり方を教えてくれました。
もちろんそのままおへそにタネを突っ込むのではありません。タネを三つほどワタで包んで水で湿らせ、乾燥しないようにラップでまいたら、ストッキングにくるんでおなかに装着します。お風呂や寝るときは、はずしても大丈夫。二日から三日で、むくむくと発芽しはじめます。
夜、はずすのが心配で、おばあちゃんのおへそにタネを預ける子もいたのだとか。「まるで卵を温める親鳥のように、タネに対してお母さんのような気持ちになるみたい」と斉藤先生。飽きてしまいがちなその後のお世話もばっちりだったそうです。
アイデア02 お寝坊さんに朗報!
アサガオを夜に咲かせる裏技
(1)日が暮れたら、朝まで明るい部屋に置いておく
(2)朝になってもつぼみはそのまま! 昼間は暗い部屋に移動させる
(3)暗い部屋に入れて数時間、花が開いているので、電気をつけて見てみよう全開のアサガオが見たいのに、どうしても起きられなくて観察できない……。そんなお寝坊さんに朗報です。アサガオの開花のメカニズムを知れば、花の開く時間を変えることができるのです。
明日咲きそうなつぼみをもったアサガオの鉢を、前日の夕方、日が暮れる前に明るい部屋に移動させておきます。そのまま置いておくと、朝になっても花は開きません。そのあと光のあたらない部屋に移しておけば、その日の夜に花が開き、じっくり観察することができます。
アサガオは、開花するのに一定の時間暗い場所にいることが必要です。ずっと光があたっている場所では、花はつぼみのまま開きません。つまりアサガオは、睡眠時間をしっかりとらないと目覚めないのです。
開花するのに十分な時間眠ったら、暗闇のなかでも目をさまします。そのため暗い部屋に置いたまま、うっかり観察をするのを忘れると、また見逃してしまうかもしれないので注意しましょう。(『いのちを感じるあそび事典』)
アイデア03 開花の瞬間がじっくり見られる!
トンガリ帽子作戦
登校する時間にはすでに開いているアサガオの花。つぼみはどんなふうに開いていくのでしょうか?
どうにかして開花の瞬間を見られないものか……と考えた、斉藤先生。つぼみに「トンガリ帽子」をかぶせることを思いつきました。
重さでつぼみが折れない色紙などでくるっと紙を巻いて円すい形の帽子をつくり、観察日の前日の夕方、明日咲きそうだな、と目星をつけたつぼみにかぶせておくだけ。翌日つぼみから帽子をとると、一五分から二〇分ほどかけて、じわ〜っとつぼみが開いていきます。目の前で花が開いていくようすに、子どもたちは大興奮!
ポイントは、つぼみに触れるように帽子をかぶせること。アサガオは、一定時間暗い場所にいると花を開くので、暗がりをつくっただけでは花は開いてしまいます。トンガリ帽子は、開こうとするアサガオの花を押さえつける役割りをしているのです。
簡単にできるので、アサガオを育てるときに毎回この方法で楽しんでいるそうです。
(続きは本誌をご覧ください)
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