「総合的な時間」の総合誌
農文協
食農教育  
農文協食農教育2010年1月号
 

読者のみなさまへ  2010年1月号の記事案内

(社)農山漁村文化協会  編集局 教育雑誌・教育書グループ

特集1 まだまだ使える! 調理クズ・食べ残し

ミミズブロックピット

 給食の食べ残しが日常化し、食缶にドボドボと戻すことになんの疑問をももたない子ども。おいしそうな食べ物は、その瞬間に、キタナイ・サワリタクナイ・カカワリタクナイ……、「生ゴミ」と化す。そして実際、さわらず、かかわらずとも、あとの始末は気にすることなく生きていける。「生ゴミ」に限らず、私たちの暮らしは、一事が万事そんな感じではないでしょうか。

 知らんぷりしておけば、そのままですむ世の中に、なんとか風穴を開けることはできないか? 給食の食べ残しは、そのきっかけになりえないでしょうか。

 まず、確かなことは、それでもどこかで始末をつけてくれている人がいる、ということ。学校給食のばあい、食材を調達し、おいしい給食を食べさせたいと努力し、そして戻った食缶が空っぽか、あるいは大量の残食があるかに一喜一憂している栄養士さん(22頁)、なのかもしれません。モノの始末とココロの始末。クラスの残食減らしなら、まずは栄養士さんに出会うことからでしょう。食べ残しは、焼却処分されているばあいもあるし、最近では、家畜の飼料や生ゴミ堆肥などとして活かされているばあいも多くあるようです(24頁)。

 次にできることといえば、生ゴミリサイクル。なんと給食や家庭の調理クズを集めて、年間2.5tもの生ゴミを堆肥化している先生がいました(30頁)。総合的な学習や、特別活動などでやってみるさい、非常に参考になる実践です。ミミズトロ箱、ミミズブロックピット、釣り鐘式コンポスト……。どのくらいのコストがかかるのか、それぞれの長所と短所は? 数々の方法を試して得たデータや経験をもとに、家庭や学校の環境にあった方法を探せるようご案内いただきました。やはり「手軽にできる」ことがポイントのようです。

 そのほか、調理クズ・食べ残しを、ハンカチ染め(タマネギの皮:16頁、40頁)やトイレ掃除(ミカンの皮:42頁)、造形作品(貝殻、骨:44頁)の材料としてとらえれば、やっかいものの生ゴミも、ただで手に入るとってもお得な教材に早変わり。また、給食だけでなく、家庭からも集めれば、お母さんたちに働きかける食育のツールとしてもよさそうです(10頁、48頁)。

特集2 道具を生かして、手づくり給食!

アイスクリーム用のディッシャーでコロッケのタネをすくう

 給食は短時間の大量調理。人員や設備面で制約がありますが、栄養士さん、調理員さんが知恵をだしあい、素材をいかした給食を手づくりしている給食室も少なくありません。今回は、そんな工夫の一つ、道具の使い方に注目しました。たとえば焼く、煮る、揚げるなど、一台で多彩な加熱調理ができる"スチコン(スチームコンベクションオーブン)"。油揚げにごはんをつめ、調味料をかけて加熱するだけで、手軽にお稲荷さんができます(96頁)。スチコンがない施設では、回転釜で炒め物から揚げ物、汁物までカバーしますが、この回転釜を使って炊飯技術を極めた給食室も(88頁)。意外な小道具で下処理をラクにする方法もあります。タマネギの芯取り用にデザートスプーンを改良したり(84頁)、コロッケのタネをすくいとるのにディッシャーを使ったり(82頁)、それぞれの調理室に見合った工夫がありました。(2009年12月8日)

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

この記事の掲載号
食農教育 2010年1月号(No72)

学年で年間2.5t!給食・家庭の生ゴミを毎日堆肥化/長崎発、生ゴミリサイクル畑/給食のタマネギの皮でハンカチ染め/ミカンの皮で消臭/大量調理にアイデア小道具/回転釜で炊き込みごはん/ほか。 [本を詳しく見る]

田舎の本屋さん 

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