「総合的な時間」の総合誌
農文協
食農教育  
農文協食農教育2008年11月号
 

食農教育 No.65 2008年11月号より

鈴木みどり先生。落ち葉絵を「葉彩画」として確立させた赤崎一雄氏の作品との出会いがきっかけで落ち葉絵を始める。勤務する木更津総合高等学校では、国語と書道を教えている。

落ち葉でサンタを描こう

写真 赤松富仁

 落ち葉に新しいいのちを吹き込む落ち葉絵。落ち葉絵をはじめて七年あまりの鈴木みどり先生に創作のコツを教えてもらった。

 創作はあらかじめつくりたいものを決めてとりかかることもあるが、目の前の葉っぱからイメージがふくらみ作品につながることもある。ここで紹介する落ち葉サンタも「このカラムシ、ひげになりそう」というひらめきから生まれた作品だ。

落ち葉の乾燥

 落ち葉は落ちたばかりの丸まっていないものを拾う。新聞紙にはさんで一〜二週間でパリパリの状態に。

 すぐ使ってもよいが、長く置いておくことで葉の色は深みを増す。忘れた頃に見つかった葉っぱがいい色になっているなど、色合いの変化を味わうことができる。

新聞の見開き片面下半分のスペースに落ち葉を並べる
折りたたんだあと、百科事典やタウンページなど重しになる本を置いて1〜2週間で完成

どんな葉っぱも捨てられない

 鈴木先生は落ち葉絵をはじめて落ち葉の見方が変わったという。出かけた先で気に入った葉っぱを見つけては自宅に持ち帰るなどして集めた葉っぱの種類は五〇以上。同じ種類の葉っぱでも、一枚たりとも同じ葉っぱはない。「これは眉に、これは手に使えそう」と思うと、どんな葉っぱも捨てることはできず、使い終わって小さくなった葉っぱも大事に保管している。

 落ち葉絵の主役は落ち葉。葉っぱの色、大きさ、形、質感、葉脈の感じ次第でテーマやデザインは変わる。葉っぱの特徴をいかすため、スカートになる予定の葉っぱがズボンになることも。意図せずとも、その葉っぱならではの作品に仕上がるのが落ち葉絵の魅力だ。(編集部)

クリのつくり方
(1)小さめのナンキンハゼを用意
(2)葉柄に近いほうを丸く少し切り落す
(3)さらに3分の1ほど三日月の形にして切り落とす。それを裏返して、切る前と同じ形になるよう大きいほうの葉に合わせてできあがり
(4)はみ出たところはカッターで切ってしまえば問題ない。味を出すためにわざと欠けさせることも


落ち葉サンタのつくり方

用具。このほか、のりをつけるための楊枝と、台紙の色紙も必要
(1)使う葉はたったの3種類!!
・ナンキンハゼ(顔)
・カラムシ(ひげ、眉、帽子のふちどり)
・ツタ(帽子、鼻)
(2)のりをつける前に構図を決めて、細かいパーツをつくる。台紙にあごひげとなるカラムシを葉先が下になるよう置く。次に顔になるナンキンハゼをあごひげの上に置く。ナンキンハゼの上下の向きは好みで
(3)眉とひげをつくる。小さめのカラムシ2枚を葉脈に沿って半分に切る
(4)眉とひげのカラムシは、上下で葉先の向きが逆になるように置く
(5)帽子とそのふちをつくる。まず、斜めにツタの葉を切って帽子をつくる(右頁@参照)。次に、余ったツタの葉を丸く(マジックペンの先でかたどる)くり抜き、鼻もつくる。帽子のふちは縦半分に切ったカラムシの葉。もこもこした感じを出すため、手で葉のまわりをちぎる。残った半分の葉から、丸いボンボンをつくってパーツが完成
(6)のりづけ作業は少し気を遣うところ。小皿にのせたのり(ヤマトノリが最適)を楊枝ですくい取り、葉の中央から左右に薄くのばしていく。のりの量が多いとはみ出し、少ないと乾いたあとではがれてしまうので注意
(7)帽子→顔→帽子のふち・ボンボン→あごひげ→口ひげ→眉→鼻と順々にのりづけしていく
(8)仕上げはローラーかけ。くっつかないよう台紙にビニール袋などを置き、その上からローラーなどでならす
(9)はみ出てしまったのりは綿棒でふき取るときれいな仕上がりに。のりが乾いたら完成
   
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