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2008年4月増刊号(No.61)

横浜市立小田小学校の安塚体験学習

棚田に囲まれた農家で子どもたちが体験したこと

▼編集部

 二月下旬、横浜市立小田小学校五年担任の森島秋美先生、池長健吉先生、豊田亮先生の三名は上越新幹線の越後湯沢駅から「ほくほく線」に乗り換えた。列車は新潟県の谷合を進み、家々の屋根に積もる雪が深くなっていく。三名が向かうのは上越市安塚区(旧安塚町)。きょう、あすは五月に控えた六年生の宿泊体験学習の実踏(実地踏査)なのである。


福寿草の里・信州沢底発

むらの再生は地域の子育ての再生から

▼沢底福寿草の里景観保全委員会事務局 有賀茂人

 長野県のほぼ中央に位置する辰野町は、諏訪湖から流れ出る天竜川が中央を流れ、山地面積が七割を超える人口二万三〇〇〇余の町で、蛍が群生し、乱舞することで有名なところです。
 町の東側、戸数一二〇戸ほどの小さな山間の集落が、私たちの住む沢底です。集落の奥まったところにたたずむ双体像は、永正二年(一五〇五年)の銘が刻まれ、日本最古の道祖神と言われています。集落も、その頃にはすでに存在していたのでしょう。
 沢底は「福寿草の里」としても広く知られ、町内外から春の花を求めて人びとが訪れます。この「福寿草の里」の名をとって、集落の三八人の農家が「沢底福寿草の里景観保全委員会(以下委員会)」をつくり、農業の活性化と生活文化の見直しをとおして、景観保全に取り組んできました。


大分県安心院町

田舎ぶりがいいほうが勝ち!

▼NPO法人 安心院町グリーンツーリズム研究会会長 宮田静一

 グリーンツーリズムに力を入れている大分県安心院町(現在、合併して宇佐市安心院町)には、地元大分県をはじめ、関東や関西、北九州などから子どもや若者がたくさん訪れ、農家に宿泊している(中学生の場合、平成十八年度は二九校、約三〇〇〇人)。


編集後記

▼編集部

目 次(pdf)

 

[特集]子どもが変わる 農村宿泊体験

巻頭エッセイ

モンゴルのゲルにて 国立民族学博物館 小長谷有紀 …06

いまこそ求められる農山漁村の教育力 法政大学 佐藤一子 …10

1 農村宿泊体験とはどういうものか

棚田に囲まれた農家で子どもたちが体験したこと
横浜市立小田小学校の安塚体験学習 編集部 …16

安塚体験記 小須田恵理 …22

東京の中学生 一泊二日の農家体験 
ウッソー! でも楽しーい イラスト・かとうまりん …26

農家に泊まるなら農家でしかできない体験を 青森・十和田市 農業 豊川総一 …32

インタビューで聞きました 
農業体験修学旅行で中学生が感じたこと 東京福祉大学 野田知子 …38

2 長期宿泊体験をどう仕組むか

学力の前に、自立して生きる姿勢を育てたい 実施してみて確信したセカンドスクールの効果
東京・武蔵野市教育支援センター 松澤茂久 …48

セカンドスクールの準備と実際 編集部 …52

子どもたちには「ほんもの体験」と出会わせたい 体験教育企画 藤澤安良 …54

体験を体験だけに終わらせないために 体験から学ぶソクラテス問答法
NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー 山本幹彦 …60

先生こそ「ゆとり」と「体験」を 飯田市企画部 井上弘司 …64

3 体験を深めるアイデア

【森】都会の子どもたちが育てるドングリの森
東京・中幡小学校/長野・飯田市 藤井慶正・稲葉義愛 …76

【田んぼ】ミニ田んぼと本物の田んぼで同時に稲を育てる
東京・緑ヶ丘小学校/宮城・角田市 西村良平 …82

【郷土食】地域の食材の学習が生きる「会津のスローフードを巡る旅」
宮城・階上小学校/福島・会津地方 佐藤由美 …88

むらの再生は地域の子育ての再生から 福寿草の里・信州沢底発
長野・辰野町 有賀茂人 …94

4 体験の場をどうつくるか

田舎ぶりがいいほうが勝ち! 大分県安心院町 宮田静一 …100

心のヨロイを脱いだとき 子どもたちのスッピンの笑顔がはじけた 本多雅子 …106

首都圏在住者の協力を得て、出前授業と体験旅行を結ぶ 東京米物語
JA山形おきたま飯豊地区 青年部添川支部 高橋勝 …110

農林漁業と生活文化を丸ごと体験メニューに
宮城県南三陸町・さんさん館 斉藤道子 …116

山村留学の受入れでよみがえる生活文化 長野県秦阜村 辻英之 …122

受入先は個性が光る地域でありたい
「子ども農山漁村交流プロジェクト」推進検討委員 小椋唯一 …128

5 「子ども農山漁村交流プロジェクト」のガイド

今、なぜ「子ども農山漁村交流プロジェクト」が必要なのか
国立那須甲子青少年自然の家 茅野敏英 …134

三省の担当者に聞く「子ども農山漁村交流プロジェクト」事業のねらい
文部科学省児童生徒課長 木岡保雅
農林水産省農村政策課長 永嶋善隆
総務省参事官 塚田桂祐 …140


再録

都会の子に餅つきは必要か
「農業の教育力」を考える 農文協論説委員会 …148

本号の記事に関連した体験活動の受入先 …153

関連図書紹介 …154

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