「総合的な時間」の総合誌
農文協
食農教育  
農文協食農教育2005年3月号
 

食農教育 No.39 2005年3月号より
[特集]学校と地域を結ぶ ホームページ活用術

学校ホームページを元気に

●反響続々! 「うちでもつくってみようかしら」●
ホームページで給食メニューを毎日発信

高本 明子

子どもは地域の人と地元の野菜で育つ

 「とてもおいしくいただきました。栄養面をいろいろと考慮してあり、みんな残さず、きれいに食べていて最後の片付けも低学年なりにとてもよくできていました。

 地元の野菜を子どもたちが食べてくれると思うととてもうれしく、野菜づくりをがんばらねばと思いました。今日会食をして思いましたのに、子どもたちの教育は、地域の者と、地元の野菜でつくられるのではないかと、子どもたちの純粋な姿を見て感じました」。

 学校で行なった会食会に参加された生産者の方の1枚のアンケートに目をとおしたとき、いろいろな思いとともに、いま、学校がどうあるべきかを考えさせられました。

給食を家庭の一回の食事として位置づけたい

 相良村では、熊本県のモデル事業(学校給食地域産品利活用推進事業)の指定を受け、給食センターを中心に地場産物を積極的に利活用しています。また、相良南小学校では、以前より農業体験学習に取り組み、さらに各学年での取組みを充実させ、食料を生産する農業の大切さの理解を深めることに心がけていました。

 たんにお腹を満たすだけでなく、一回の食事として給食を提供したい。おうちで食べる食事の基本とできるものとしたい。これは私が栄養職員としてこだわり続けていること。「食育を給食で」は私のひそかな願いでした。

今日の給食こんだて

ホームページを見た保護者が給食メニューに挑戦

 そんななか、学校のホームページでその日の給食の写真を撮り、紹介していくことになりました。

 「6月17日(木) 今日はグリーンピースのごはんです。グリーンピースは相良村で収穫されたものです。いまが収穫の時期ですね。このグリーンピースは何月に植えられたものでしょうね。寒い冬の11月から12月にかけて植えられたものです、と言ったら信じられますか。ずいぶんと長くかかるんですね。寒い冬を越して大きくなったのですね。だいじに食べたいですね」というように、簡単にコメントを添えるようにしました。

 ある日、児童のおばあちゃんから「見ましたよ。つくり方を教えてください。世界の料理の鳥肉の煮込みです。学校から帰ってきて、おいしかったというものですから……」。世界の料理シリーズで紹介したベルギーの肉の煮込み料理でした。簡単なレシピを書いてつくり方を紹介しました。

 次の日、さっそくクラスの子どもをたずねたら、「おいしかったよ。ばあちゃん上手かったよ。学校で食べたのといっしょだったよ。また食べたいな」と教えてくれました。

 「給食おいしかったよ」から家庭へ、家庭から学校へ。そして学校から地域へ。さらに大きくふくらんで、広がっていく私の思いです。その一つのきっかけとして、学校のホームページがもっともっと活躍してくれることを望んでいます。地域でつくられた農作物を子どもたちがたくさん、すすんで食べてくれることを期待しています。

熊本・相良村立相良南小学校

デジカメで給食をおいしそうに撮るコツ
冨田 きよむ

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