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Ruralnet・農文協食農教育2002年9月号

食農教育 No29 2003年9月号より

次号予告 『食農教育』11月号(30号)2003年10月12日発売

特集 保存の知恵をいただく(仮題)

 食にかかわる活動が多い季節。子どもたちと「保存」の知恵について考えてみたい。保存は単に食べものを長持ちさせるだけではなく、その栄養や味を高め、おいしく食べる工夫でもあった。都会の台所でもできる「保存の知恵」調べから、高野豆腐や干物、ベーコンなど簡単な加工体験、地域で「保存名人」をさがすフィールドワークまで。

■素材研究 ワタ

 古代人のやり方で紡いでコースターを織る、在来種と外国種の特性を比べる、自然の色彩を楽しむなど、ワタ加工のさまざまな楽しみ方から、栽培法、歴史まで。

編集室から

▼練馬ダイコンを栽培して、それをタクアン漬けにする。そんな体験があると、江戸時代の農家の暮らしが、子どもの感覚に実感を伴って迫ってくる(28頁)。江戸の食文化を学ぶと、「文化を守ることは環境を守ること」という言葉が生徒から自然に出てくる(42頁)。体験を発酵させ、時空を超えて想像力を羽ばたかせる子どもたちの能力はすばらしい。(松田)

▼平地の湖沼でキュウリの花に似た黄色の花を次々に咲かせるアサザ。絶滅危惧種でもこの花の力に注目したのが飯島博さん(64頁)。高校生と霞ヶ浦の湖岸を歩くうちに、アサザ群落の周りだけ波おだやかで生き物が豊かなことに気づいた。近世農書にある伝統技術をミックスして水辺再生のためのアサザプロジェクトを立ち上げ、そこに地元の多くの小中学生も参加している。フィールドワークと江戸の本が想像(創造)力を刺激した。(阿部)

▼江戸の人は、あんなに小さくて硬いナタネから、どのようにして人間の力だけで油を搾れたのか? パワーだけでなく、素材にあわせた前処理の工夫がそこにはあったようだ。干す、煎る、砕く、蒸す……『日本農書全集50巻』にそのようすがいきいきと描かれている(48頁)。この工程一つひとつの意味を科学的に見ていくと、現代にも生かせるヒントが見つかるはず。興味はつきないが、誌面には限りがある。Webサイトも使いながら追究していく予定です(140頁)。(伊藤)

●環境学習・食農体験を支援する
「信州つがいけ食農学習センター」

 栂池自然園や白馬の山々を舞台にした自然観察とアウトドア、周辺の加工施設や工房などを利用した食農体験が存分に楽しめるロケーションです。農文協の「食と農の学習データベース」や充実した調べ学習の資料、図書をそろえた絶好の学習環境にあります。

 本誌や雑誌『現代農業』などの執筆者のなかから、食と農の学習に携わってきた教師、農家、研究者など各分野で活躍中の多彩な講師陣が登場。学習活動をサポートします。

 研修・宿泊施設として、ぜひご活用ください。
連絡先 (財)長野農文協 栂池センター/tuga20/


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