月刊 現代農業
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巻頭特集

本誌36ページ、薄井勝利さんの免疫力を上げる朝食(江平龍宣撮影)

新型コロナウイルスの流行で、
よく耳にするようになった「免疫力」。
農村は都市とは違い、
身体にいいものが溢れている。
農家はこれまでもこれからも元気だ。
国難に際し、ウイルスをものともしない
暮らしぶりを豊かに提案してくれた。

衰え知らずの83歳

稲作名人・薄井さんの 半端ない免疫アップ術

福島・薄井勝利

植物の生理生長を熟知し、
イネやリンゴを健全・豪快に育てる薄井勝利さん。
御年83歳にして、作物だけでなく、
ご自身の身体も健康そのもの。
強靭な肉体をつくる食生活や運動とは?
今回、本人執筆による原稿とロケ取材を経て、
あの薄井名人の日常生活が丸裸になった!?(編)

筆者(江平龍宣撮影、以下表記のないものすべて)

 

ハト胸催芽機で「芽出し玄米」

 私の母は晩年に関節リウマチで闘病生活を送っており、父はシベリアでの抑留生活のときに氷上で腰を打ったのが原因でひどい腰痛を抱えていました。それを見て、健康がなによりも大切と思い、50代から規則正しい生活を心がけ、よく眠り、よく食べて、よく動く(働く)を基本としてきました。

 5年ほど前に前立腺ガンの可能性があるといわれ、進行させないように食べ始めたのが「芽出し玄米」です。一般的な「発芽玄米」よりも、芽と根が動いて酸素をしっかり取り入れ、酵素が十分に働いた状態なので、腸での消化率が高いと考えています。

 稲作農家ですから、芽出し作業はハト胸自動催芽機(湯芽工房)を使います。モミの代わりに玄米を14℃の水に48時間、32℃で17〜18時間浸け、1mm弱の芽を出させます。その後、送風乾燥機で水分16%とし、低温貯蔵庫で保管。一度に60kg作ります。

 1日3食、芽出し玄米を摂ったところ、数カ月後にはガンの疑いが陰性となりました。現在は夕食のみ黒豆入りの芽出し玄米です。大豆は畑作物の中でケイ酸がもっとも多く、抗酸化物質のイソフラボンやアントシアニンも摂れることから、炊飯時に黒豆を加えています。

ハト胸自動催芽機で芽出しした玄米(右)。水分16%に乾燥させているので、芽が出ているのかわかりづらい

 

一日の食事はこんな感じ

 

 

 

肉・野菜・キノコの煮物を毎朝食べる

 朝は七分搗きの米にもち麦を入れたご飯を炊きます。これに肉3種、根菜6種、キノコ4種、葉菜3種をミックスした煮物を食べます。肉と野菜をたっぷり食べるには煮物にするのがよいと思い、夫婦2人で一度に30〜40日分を煮込み、1食×2人分を小分けにして冷凍し、毎朝食べています。

 煮物の肉は、血液の流れをよくする血清アルブミンを増やす豚肉が5割、鉄分の多い牛肉が3割、代謝をよくするビタミンB6の多い鶏肉が2割とします。根菜はジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ゴボウ、レンコン、ニンジン。キノコはシメジ、エリンギ、シイタケ、エノキ。葉菜はキャベツ、タマネギ、ブロッコリーです。

 私はリンゴ農家でもあるので、朝はリンゴ1個分のスムージーを作り、イチゴやブルーベリーなど季節の果実も加えます。さらに血液サラサラ効果のあるエゴマ油を小さじ1杯分たらして飲んでいます。

 昼はもち麦入りご飯を1杯と、具だくさんの味噌汁や吸い物、おかずを3〜4品です。

一日のスケジュール

 

 

この記事には続きがあります。本誌36〜45ページをぜひご覧ください!

 


取材時の動画が、ルーラル電子図書館でご覧になれます。「編集部取材ビデオ」から。
https://lib.ruralnet.or.jp/video/

 

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

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この記事の掲載号
現代農業 2021年1月号

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