2019年10月号

「連作障害」の原因はさまざまで、農家によって捉え方が違うようだ。
連作障害って、そもそもなに？そのキホンを、ベテラン研究者の藤原俊六郎さんに聞いた。

（赤松富仁撮影）

京都・新谷太一

　鉄には、就農以前から関心がありました。前職で日本酒やワインの仕入れの仕事をしていたことと、白ワイン好きが高じて、それに相性のよいカキの産地巡りを始めました。知識を深めたいと出会った本が、「森は海の恋人」運動で有名な畠山重篤さんの『牡蠣礼讃』（文藝春秋）。森（広葉樹林）の水が運ぶミネラル分が海中のプランクトンを育成しカキをおいしく育てる。なかでも重要なミネラルが、腐葉土に含まれるフルボ酸と反応した鉄分であると述べられています。

筆者（45歳）。タンニン鉄を投入している田んぼの前で。鉄の供給源は使い古しのロータリ爪

「への字稲作」の提唱者である井原豊さんは、兵庫県太子町の稲作農家だ。１９８０年から、１９９７年に67歳で亡くなるまで、『現代農業』や単行本で健筆をふるった。

　Ｖ字型稲作が全盛の時代に、イネの姿に対するイメージ転換を訴え続けた。への字稲作での初期の田んぼの寂しい姿を称した「ノーパンスケスケのイネ」、中間追肥後の見事な開張姿を表わす「ゴリラのガッツポーズ」など、わかりやすく、時に人を食ったような痛快な表現で、読者の心を掴んだ。

井原豊さん（故人）。約1.5haの田畑でイネ、ムギ、野菜を栽培しながら、執筆、講演活動に力を注いだ。『現代農業』への初登場は1980年9月号

　８月７日、待望のサトちゃんＤＶＤ新作「乾燥・調製・精米　現場の悩み解決編」が完成。農文協の倉庫に納品となった。物流担当者は即座に会津のサトちゃんに発送したので、翌８日には届いたはずだ。９日朝、編集部からサトちゃんに電話してみると――

サトちゃん（佐藤次幸さん）。福島県北塩原村在住の稲作作業名人

　見たよー。昨日届いて一気に見た。いやおもしろい。今度の新作は、今までの中で一番いい出来なんじゃねーの？

　完成前の試写の段階で内容チェックはしたけど、そのあと音楽がついたりプロのナレーターの声が入って、完成版はグレードもアップしたねー。コタローくんのボケぶりも最高だし、２時間メロドラマ見るよりも、よっぽど楽しいんじゃねーの。

11月号の主な記事（予告）10月5日発売、編集後記

あっちの話こっちの話（339KB）
・レンジでチンの砂糖混用で虫をたたく――茨城から
・黄色く熟したキュウリから発芽、秋も収穫――徳島から
・ブルーベリーにふんわりしっとり樹皮マルチ――徳島から
・まモミガラでサトイモの泥落とし――佐賀から
・キウイで食欲モリモリの元気な牛藤川直――徳島から

農文協出版案内（545KB）
・農文協の新刊

・基礎からわかる　おいしいブドウ栽 （→購入する）
・基礎からわかる　おいしいカキ栽培 （→購入する）
・小さい農業で稼ぐ　チコリー類 （→購入する）
・肥料を知る　土を知る （→購入する）
・新版　土壌肥料用語事典　第2版 （→購入する）
・消えた山人　昭和の伝統マタギ （→購入する）
・まるごとわかる　タマゴ読本 （→購入する）

・土と施肥の新知識 （→購入する）
・新版　要素障害診断事典 （→購入する）
・よくわかる 土と肥料のハンドブック　土壌改良編 （→購入する）
・よくわかる 土と肥料のハンドブック　肥料・施肥編 （→購入する）
・だれでもできる　肥料の上手な効かせ方 （→購入する）

・農家が教える　石灰で防ぐ病気と害虫 （→購入する）
・土は土である （→購入する）
・農家が教える　鳥獣害対策あの手この手 （→購入する）
・農家が教える　ラクラク草刈り・草取り術 （→購入する）
・大判　図解　最新果樹のせん定 （→購入する）
・ネギの安定多収栽培 （→購入する）

・2019年4月号 （→購入する）
・2019年5月号 （→購入する）
・2019年6月号 （→購入する）

・2019年7月号 （→購入する）
・2019年8月号 （→購入する）
・2019年9月号 （→購入する）

◆10月号のすべての目次はこちら

カラー口絵　お茶と鉄で野菜の味が劇的にうまくなる

絵のページ

あっちの話こっちの話／クロスワード・パズル／漬け物お国めぐり／ドブロク宣言／違うのはどこ？／8月の病害虫ランキング／何でも相談室／野良で生れたうた／読者のへや／読者アンケート

連作障害ってなに？ 突撃インタビュー　

◆教えて藤原先生　連作障害のＱ＆Ａ　

連作障害の原因

「連作障害」って、そもそもなんですか？　イヤチとも呼ばれるようですが……。

　連作障害が出やすい作物はどれ？

　ナスを植えたら、何年休ませたらいいの？

　連作するとなぜ病気やセンチュウ害が増えるんですか？

　イネは毎年同じ田んぼでとれる。連作障害がないんですね。

連作障害の対策

　やっぱり、連作障害対策といえば「輪作」なんですね？

　チッソ過剰やリン酸過剰も連作障害の原因になるの？

　世の中には、「連作障害が出ない土」があると聞きました。

◆ 連作障害の正体にもっと迫る

　原因は根にあり、チッソにあり（熊本・水景の会／土微研・片山悦郎さん）　

　原因は耕盤にあり　

　原因は地表10�pにあり　佐藤正樹　

　原因は残渣にあり　黒木修一　

　原因はpHにあり　丹羽昌信　

　やっぱり土壌消毒のせい!?　久保幹　／小松義人　／中野春男　

◆ 連作障害が出ない!?　発病抑止土壌

発病抑止土壌とは何か？　清水将文　

連作は究極の栽培技術だ！　内田達也　

エンドウは誰でも連作できる（伝統農法文化研究所・木嶋利男さん）

ぐんぐん広がる鉄散布水田、畑、果樹園、砂浜にも!?

水出し茶に鉄を入れるだけ　かんたん液肥でつくる鉄ミネラル野菜　新谷太一　

鉄ミネラル野菜ってなんだ？　自然界の鉄分循環の話　野中鉄也　

病気が減って、晩生リンゴに味がのる　中岡啓　

砂浜にも鉄散布　ヘドロが浄化されてアサリ復活　清水伸　

瀬戸内海の貧酸素・ヘドロ化を改善　山本和彦　

水もちアップで干ばつに備える資材

オムツの素材でミカン苗木の根張り良好　坂田寛樹　

クラゲのチップで乾燥地帯でも苗木定植　土居幹治　

焼成ガラス・貝殻資材でサツマイモが太った　安田知義　

瓦チップで水やりを大幅に減らせた　間宮直人　

たっぷりの敷きワラで果樹園を干ばつから守る　佐藤鎌太郎　

トピックス

汚れ落とし「洗たくマグちゃん」の排水で野菜がよく育つ　宮本隆　

作物を逆境に強くするトレハロース　西村安代　

焼酎粕で光合成細菌の培養キット　後藤みどり　

サツマイモのセンチュウを抑える　べにはるかとからゆたか　日吉直　

ナガイモ産地で根腐れや褐色腐敗を抑えるニンニク　長久保耕治　

自分でできる土壌病害診断

身近なものでできる土壌病害診断　萬田等、浦嶋泰文　

茎の中を見よ！　畑でできるお手軽診断法　草刈眞一　

「ヘソディム」で管内の根こぶ病が減ってきた　鈴木啓史　

野菜の姿で見る　追肥のタイミングと効果

葉の色や形を見て、不足した栄養素だけを追肥する　高橋広樹　

イチゴの追肥は、「銭袋」で決める　嶋田誠一　

石灰大好き！　明らかに品質が上がるから

メークインの歩留まりが10％もよくなった　伊部義之　

硫酸カルシウムでリピーターのつくうまい米　五味伸章　

今、への字稲作に大注目

への字は、イネの天寿を全うさせる稲作だ（千葉・長谷川精一さん）　

乾田直播のへの字イネを見た！（愛知・尾崎大作さん）　

井原豊さんの著書、待望の復刊！　

サトちゃんから 今度のＤＶＤはおもしろすぎるよー　

育苗培土のお悩み解決

芽が出ない、苗が徒長する…野菜ごとにかん水を加減　佐藤民夫　

培土が水をはじく…培土にモミガラくん炭を混ぜる　小城寿子　

培土を替えたら発芽がバラつく…培土の水持ちをチェック　梯浩和　

ベビーリーフの培土をバーナーで焼いて連続利用　安藤正子　

培土代がバカにならない…落ち葉で「完璧培土」　鈴木俊雄　

堆肥・肥料 置くとこがだいじ！果樹の内側施肥

樹冠の真ん中にココピート　ミカンの樹勢が回復した！　浦木正明　

根域を広げないブドウの内側施肥　畑山健　

リンゴの元肥　株元半径１ｍ内に（福島・薄井勝利さん）　

タイミングよく　株元ギリギリまで

土寄せで攻める！

水田転換ネギはモミガラを入れて土寄せ　安田貴憲　

倒伏・曲がり対策に　白ネギ用ローラー式培土器　徳田要介　

ダイズの土寄せ　初生葉の上まで一発で盛る（福岡・金子一巳さん）　

ムギの土入れ　管理機で縦横の溝をつなぐ（福岡・麻生正雄さん）　

土改材、散布の課題を解決したい

ブロキャス1台買って共同散布は引き受けた！　小林洋一　

地域ぐるみの共同散布をＪＡが支援　重冨敏弘　

ブロードキャスターの無料レンタル　坂井孝敏　

モミサブローへのモミガラ供給機（新潟・高橋賢一さん）　

低チッソのモミガラ堆肥を用途別に作り分け　綾部寿雄　

牛が喜ぶ草地の土づくり

微生物を殖やして更新いらずの草地をつくる　三宅英彰　

草の状態を見ながら堆肥栽培　松下克彦　

溝と穴を掘るだけ「大地の再生」で茶園が再生　山下友子、酒井賢治　

直売農家の悩み解消！野菜の連作好き嫌い相関図　古藤俊二　

ワラで作るはふごが私の相棒　花房五百子　

メガファーム参入と地域内チッソ収支を考える　寳示戸雅之　

【北の国から自給菜園】葉摘みでインゲンが丈夫に育つ　斎藤昭　

【幸せ貧乏生活10】もぎたての自家製エダマメを楽しむ　新藤洋一　

【季刊地域ダイジェスト9】日本政府が無視する「小農宣言」の意義　

【主張】　農家とともに80年　先輩たちに学んで、元気に稲作談議を

【農家の法律相談】国会議員がスポーツチームに金銭援助、「寄付の禁止」に当たらないのか

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