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もっと知りたいヤツらのこと
DVD『地域で止める獣害対策シリーズ』より

アナグマ

アナグマは日本在来の動物で、ムジナとも呼ばれる。同じくムジナと呼ばれるタヌキとは体つきも大きさも似ているが、アナグマはイタチ科、タヌキはイヌ科で違う種類の動物だ。

画像1 目の周りに黒い模様があるのが特徴。パンダのようにも見える(江口祐輔撮影)

画像1 目の周りに黒い模様があるのが特徴。パンダのようにも見える(江口祐輔撮影)

あなどれないぞ! 穴から被害が拡大

 顔つきがパンダにも似てあまり悪そうには見えないアナグマだが、あなどってはいけない。その名前が示す通り、穴を掘るのが得意。侵入防止柵があっても、地際の弱いところを見つけて穴を掘り、侵入してくる。

 しかもその穴を利用してタヌキなど他の動物も侵入する。一度突破を許すと思わぬ被害が広がることにもなり、なかなかやっかいだ。

しつこいぞ! 味をしめると何度でも

 アナグマはなんでも食べる雑食性だが、特に甘いものに目がない。野菜ではイチゴやスイートコーンなどを狙い、何度もやってくる。木登りは得意ではないので果樹は基本的に落果したものを食べる。とくに落ちたカキは大好物で毎日のようにしつこくやってくる。

画像2 高さ33pのネットの上部5pに電気柵の線を張った複合柵(2018年9月号216ページも参照)(埼玉県農業技術研究センター提供)

食われる前に侵入防止

 アナグマによる農作物被害を防ぐには侵入防止柵の「楽落くん」が有効だ(画像2)。設置の際は、掘られないようネットを地面にしっかり埋めることがポイントになる。ただし食害された後に設置しても、効果は保証できない。一度そこにエサがあることを覚えてしまうと無理やりにでも突破してくるからだ。

 したがって柵の設置とあわせて、餌付けを防ぐ環境づくりがアナグマの場合はとくに重要となる。たとえば落下した果実は放置しない、収穫できない果樹は伐採するといった予防策で、アナグマを農地周辺に誘引しないことが基本だ。

(監修:農研機構 江口祐輔)

もっと知りたい獣害対策 アナグマ

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現代農業 2019年8月号
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