「わき芽収穫で長〜くいっぱい稼ぐ」コーナーより
セロリのわき芽収穫
ずらし販売ができてニヤリ佐賀・坂口千代香
堆肥をたっぷり入れる
唐津市鎮西町という田舎に暮らし、海と山に囲まれた温暖なところで68年生きているおばあちゃんです。
わが家は普通作のタマネギを1ha、冬どりタマネギを20a栽培しています。直売用にセロリの他、多品種の野菜をつくっています。さて、本題に入ります。
セロリをつくり始めたのは、高齢になり軽量な野菜はないかと思ったからです。1年間で3回播種しますが、今回紹介するのは3月下旬に播種して、8月上旬に定植する作型。セロリはチッソを効かせたほうがよく、また、一度収穫したあと、わき芽もとるため、定植前に堆肥を他の野菜より多めに入れています。10a当たり牛糞は1年おきに4〜5t、鶏糞は毎年200kgです。定植後は夏場に育つので、水を十分にやり、農薬散布をしっかりして害虫や軟腐病を防ぎ、葉の色を見て千代田化成などを2回ほど追肥し、チッソ主体の葉面散布を繰り返します。
セロリのわき芽収穫の作型
3月下旬にイネの苗箱にタネをバラ播きし、5月下旬に128穴のセルトレイに移植、6月下旬にポットに移植。他の作業もあるので、播種から定植まで間が空いてしまう
一度収穫したあと、わき芽も育てる
収穫は12月中旬より始めます。まずは株どりで出荷。このとき、株の横から出ているわき芽を2〜3本残し、大事に傷つけないように収穫します。その後、追肥を1回、葉面散布を2回ほどやり、わき芽を育てます。少し小さめですけど、3月下旬から4月上旬まで収穫できました。温度が上がってくるとトウ立ちするので、出荷できなくなります。
わき芽は普通のセロリよりやわらかく、色が緑々していません。春は直売所でセロリを出荷する人が少ないので、私はニヤリとしました。お客さんからは香りがよく新鮮と評判で、一株も返品はありません。
今後はもう少し増量しようかと思っています。
筆者。セロリは2a栽培し、去年からわき芽をとるようになった
12月中旬、セロリを一度収穫した株でわき芽が育っている状態
(佐賀県唐津市)
この記事の掲載号『現代農業 2019年3月号』特集:もしかして間違ってる!? タネの播き方
地面を締めてラクラク育苗/わき芽収穫で長〜くいっぱい稼ぐ/ナシ、名人が塾で若手に伝授/リンゴのせん定枝・ミカンの皮 畑のもので 農家の草木染め ほか。 [本を詳しく見る]『農家が教える 野菜づくりのコツと裏ワザ』農文協 編 えっ、そんなのあり? でもやってみると納得。農家が思いついた野菜づくりの裏ワザ大集合。土寄せなしで白ネギがとれる「穴底植え」、種イモ不要の「ジャガ芽挿し」など、常識破りのやり方で野菜づくりがもっと楽しくなる。すべての記事に共通項目として「発想の着眼点」「作物の特性」「栽培カレンダーと品種」「栽培の実際」「病害虫対策」「収穫と利用の工夫」などを載せているからわかりやすい。オールカラーの手順写真ですぐやれる。 [本を詳しく見る]