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農文協のトップ月刊 現代農業2018年10月号>ベテラン土壌肥料研究者からのメッセージ 君たちは土とどうつきあうか

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ベテラン土壌肥料研究者からのメッセージ

君たちは土とどうつきあうか

施肥過剰による障害や土壌病害の深刻化、耕盤による土の物理性の悪化、土壌微生物への期待、環境保全型農業の推進…

そんな課題を背負って、都県の土壌肥料研究者として活躍してきた4人の団塊世代が、次世代におくる。

左から小川さん、加藤さん、藤原さん、安西さん

左から小川吉雄さん加藤哲郎さん藤原俊六郎さん安西徹郎さん

新版 土壌肥料用語事典 第2版 新版 土壌肥料用語事典 第2版』藤原俊六郎 編 安西徹郎 編 小川吉雄 編 加藤哲郎 編

生産・研究現場の必須用語を網羅。土壌とその機能、植物栄養と品質、地力や肥料による作物生産、効率施肥、有機質活用、環境保全などの分野で新用語を充実。現場からの関心、角度で読みとれる関係者必携の一冊。 [本を詳しく見る]


メッセージ1

チャレンジ・ザ・穴掘り!

安西徹郎

土づくりで大事なのは、
土が根にとって居心地のいい場所かどうか。
でも、実際に穴を掘り、
土の状態を確かめたことがある人は少ないのでは?
土の良し悪し、改良すべき点は、
スコップ2掘り分の穴掘りでわかります!

(倉持正実撮影、以下Kも)

(倉持正実撮影、以下Kも)

だれにもできる 土の物理性診断と改良 だれにもできる 土の物理性診断と改良』JA全農肥料農薬部 編 安西徹郎 著

収量アップは土の物理性改善が肝。スコップ2掘りで、だれでも土の状態を診断できる。診断結果のフローチャートで土層改良に必要な対策も早わかり。豊富な写真と実例で、土の見方と改良法をやさしく解説した決定版。 [本を詳しく見る]


メッセージ2

根の気持ちになって耕し方を工夫しよう

加藤哲郎

耕すことは土とのつき合いの基本中の基本ですが、
耕し方しだいではマイナスになることもあります。
前章では安西さんが、
穴を掘って土の断面や根の状態を見てみようと
メッセージを送っています。
それを受けて、根から見たよい土と
耕し方について考えてみましょう。

(赤松富仁撮影)

(赤松富仁撮影)

まんがでわかる 土と肥料 肥料と土つくりの絵本1 身近な有機物を生かそう

メッセージ3

肥料を上手に使うためにpHとECによる簡易診断を

加藤哲郎

ひと昔前までは、肥料をやるのは作物の栄養のためで、
作物が吸収する分をやればいいと単純に考えても
大きな問題はなかったのですが、
今ではそう簡単ではありません。
施設栽培やトンネル、マルチなど
雨が入らないために肥料分が蓄積していく土壌が増え、
あるいは堆肥といっても
肥料分の多い家畜糞尿を使ったものが多く、
それも勘案して施肥する必要が出てきました。
「化学性」の面から、土とのつき合い方を考えてみましょう。

(赤松富仁撮影)

(赤松富仁撮影)

だれにもできる 土の物理性診断と改良 だれにもできる 土の物理性診断と改良』JA全農肥料農薬部 編 安西徹郎 著

収量アップは土の物理性改善が肝。スコップ2掘りで、だれでも土の状態を診断できる。診断結果のフローチャートで土層改良に必要な対策も早わかり。豊富な写真と実例で、土の見方と改良法をやさしく解説した決定版。 [本を詳しく見る]


メッセージ4

土壌微生物とどうつきあうか

藤原俊六郎

微生物は目に見えないし
役割も解明できていないので、
土壌微生物の活動に
過剰な期待を持つことがあるのですが、
特定のスーパー微生物がいて、
それがすべてを解決するなんてことはありません。
ここでは、期待しつつも過剰な期待を持たない、
土壌微生物とのつきあい方を考えてみましょう。

木質チップ堆肥などの有機物マルチにキノコが発生(編)

木質チップ堆肥などの有機物マルチにキノコが発生(編)

新版 図解 土壌の基礎知識 新版 図解 土壌の基礎知識』藤原俊六郎 著

土壌肥料についてわかりやすく図解した12万部の超ロングセラーを、新しい視点を付け加えて全面改定した最新版。津波害、放射能汚染問題についても記述。基本的なことがよくわかるとともに、現場指導者にも役立つ。 [本を詳しく見る]


メッセージ5

自然がつくった土、人間がつくる土、環境を守る土

小川吉雄

複雑な地形をもつ日本では、
自然が多様な土(土壌)をつくり、
それを活かして多様な農業が生まれ、
そして、その土が環境をつくり
環境を守っています。
少し大きな話で
メッセージをしめくくりましょう。

ススキが火山灰土を黒ボク土に変えてくれた(270ページ)(倉持正実撮影)

ススキが火山灰土を黒ボク土に変えてくれた(270ページ)(倉持正実撮影)

土と施肥の新知識 土と施肥の新知識』 渡辺和彦 著 後藤逸男 著 小川吉雄 著 六本木和夫 著 全国肥料商連合会 企画・発行

わかる!土・肥料の基礎知識。できる!少肥・効率の肥培管理――有機物循環の土づくりや輪作・緑肥の積極活用、土壌・栄養診断の実際とそれに基づく作物別施肥法など、肥料屋さんがつくった土・肥料のテキスト。 [本を詳しく見る]

土の絵本4 土がつくる風景

「田舎の本屋さん」のおすすめ本

現代農業 2018年10月号
この記事の掲載号
現代農業 2018年10月号

土肥特集2018:今さら聞けない 肥料選びの話
追肥のタイミングも地力も指標作物で見極め/雑草をバンバン使う土づくり/廃ホダ木を使いこなす/微生物診断で菌力アップ2/田んぼの地力ムラに挑む/日本の田んぼで硫黄が欠乏!?/使えるぞ! 汚泥肥料/肥料散布をラクに、上手に/君たちは土とどうつきあうか ほか。 [本を詳しく見る]

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